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イノラックス、春節返上で生産へ(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2020年11月19日_記事番号:T00093234

イノラックス、春節返上で生産へ(トップニュース)/台湾

 液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)の楊柱祥総経理は18日、春節(旧正月、2021年は2月12日)連休返上で生産を続行すると表明した。今も顧客の受注に追われ、全力で生産している状況で、今年通年の黒字転換を目指す。来年のパネル景気は「雲一つない快晴」と楽観しており、純利益の過去最高更新を狙う。19日付経済日報などが報じた。

/date/2020/11/19/00innolux_2.jpg楊総経理(右)は、非需要期で来年第1四半期のパネル価格が下落したとしても、それほど下がらないと予測した(同社リリースより)

 イノラックスは春節連休中、台湾の前工程工場は24時間生産を続け、中国工場は除夕(旧正月の大みそか)と春節の2日間を休みとする予定だ。例年の春節休みは7~10日間。

 洪進揚董事長は、目下最大の問題は部品不足で、特に半導体が不足していると指摘した。楊董事長は朝昼晩とテレビ会議で半導体メーカーに対し催促しており、「ミスターIC」と呼ばれている。中国のパネルメーカーは金に糸目を付けず調達していると指摘し、台湾のサプライヤーに対し、ともに台湾経済を支えようと呼び掛けた。

黒字化すれば賃上げ

 楊総経理は、今年通年で黒字転換を目指し、黒字になれば必ず賃上げすると表明した。同社の第1~3期純損益はマイナス85億台湾元(約310億円)だったが、パネル価格上昇が続く中、第4四半期の純利益は100億元を超え、過去10年で最高となる可能性がある。

 新型コロナウイルス感染症の世界的流行で、テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)やオンライン学習、巣ごもり消費が広がり、ノートパソコンなどに搭載するパネル需要が増加したことで、イノラックスは第3四半期純利益が15億4,000万元と8四半期ぶりに黒字に転換した。

ワクチン普及後も企業需要

 楊総経理は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が普及するとみられる来年下半期まで巣ごもり需要が続き、その後も企業は約1年ぶりの通常勤務でオフィス用品調達やPCなどのアップデートが必要となるため、これまでの消費者向け需要が、企業向け需要に変わるだけと予測した。