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米台初の経済対話、今後5年開催へ(トップニュース)/台湾


ニュース その他分野 作成日:2020年11月23日_記事番号:T00093282

米台初の経済対話、今後5年開催へ(トップニュース)/台湾

 台湾と米国の初の次官級協議「台米経済繁栄パートナーシップ対話(EPP)」が20日ワシントンで開かれ、期間5年の覚書(MOU)を取り交わした。毎年米台で交互に経済対話を行う基礎となる。来年1月のバイデン政権発足後も米台が関係を深化させる表れだ。また、サプライチェーンなど7つのテーマで意見を交わし、米台双方の経済に長期的に重大な利益をもたらすとして、半導体分野での戦略提携を優先することを確認した。22日付経済日報などが報じた。

/date/2020/11/23/00top_2.jpg経済部の陳政務次長(右2)と米国のクラック国務次官(左2)が見守る中、蕭美琴駐米代表(右1)とイングリッド・ラーソンAIT執行理事(左1)がMOUに署名した(20日=中央社)

 経済部の陳正祺政務次長(次官)が訪米団を率いて現地入りし、米国のキース・クラック国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)と直接対話した。鄧振中政務委員、王美花経済部長らは台北でビデオ会議方式で参加した。

/date/2020/11/23/00top2_2.jpg左から呉外交部長、ブレント・クリステンセンAIT台北事務所長、鄧政務委員、王経済部長、呉政忠科技部長。台北でビデオ会議方式で参加した(外交部リリースより)

 米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)と台湾の駐米台北経済文化代表処(TECRO)が期間5年で、5年の延長が可能なMOUを交わした。米台で交互に毎年対話を行う基礎となる。

 呉釗燮外交部長は、米台による経済をテーマにした定期的な最高位の対話を「政府と政府の間で」「制度化」したと強調。ワシントンと台北で毎年交互に開催する予定で、政権交代の影響を受けないと指摘した。

 蔡英文総統は21日フェイスブック(FB)で、EPP開始で、米台のパートナー関係は次の段階に進んだと指摘した。世界のサプライチェーンが再編される中、米台が関係を緊密化し、共同で海外の商機を開拓することで、「MIT(メード・イン・台湾)アップグレード」ができると期待感を示した。

 EPPでは、台湾の新南向政策、米国の地域戦略と合致するインド太平洋地域を、次回のテーマの一つとすることも確認した。

TSMC米国投資が一里塚

 EPPでは▽科学技術▽第5世代移動通信(5G)とクリーンネットワーク▽サプライチェーン▽女性のエンパワーメント推進▽インフラ整備の協力▽投資審査▽世界の健康と安全──のテーマで意見を交わした。米台双方の経済に長期的に重大な利益をもたらすとして、半導体分野での戦略提携を優先することを確認した。

 王経済部長は、米台は長年、情報通信技術(ICT)や半導体分野で協力しており、台湾は半導体材料や設備を米国から調達し、半導体を製造し、パッケージング・テスティング(封止・検査)を行っていると説明。米国にとって経済の安全は国家の安全であり、民主と自由の価値を共有し、知的財産権を尊重する台湾は、素晴らしいパートナーだと指摘した。

 また王経済部長は、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の米国投資は、米台の半導体分野の協力深化のマイルストーンだと指摘。今後、米国は台湾に人工知能(AI)研究開発(R&D)センターや5G製品の認証センターを設立してほしいと語った。

 一方、呉外交部長は、貿易投資枠組み協定(TIFA)と二国間貿易協定(BTA)は米通商代表部(USTR)が主導、EPPは米国務省が主導なので、EPPで自由貿易協定(FTA)やTIFAが進むわけではないと説明した。