サラリーパーソンが疲労を感じやすいのはどのような業種かという行政院労工委員会労工安全衛生研究所(労委会労安所)のアンケート調査で、金融保険(疲労指数30.5ポイント)と不動産(30.2ポイント)がワースト2となった。労委会が5日発表した。
労委会によると、金融保険と不動産は共に、▽基本給が低く歩合制▽休日が少ない▽シフト勤務──の共通点があり、疲労の原因となっている。3位は医療・社会福祉(29.9ポイント)だった。
一方、疲労指数の最も低い業種は、電力・ガス供給(19.6ポイント)だった。台湾電力、台湾中油などの公営事業で、▽安定している▽給与が高い──が理由とみられる。
不景気、製造業経営者に打撃
雇用主や自営業者にとっての疲労指数が高い業種は順に、▽運輸・倉庫(28.7ポイント)▽情報通信メディア(27.3ポイント)▽宿泊・飲食(26.2ポイント)▽製造(25.8ポイント)──だった。自営業者は労働時間が長くなりがちで、製造業者は不景気で業績が常に気になるせいだと労委会は分析している。
全体としては、雇用者の疲労指数は雇用主や自営業者より高く、女性は男性より高かった。
疲労感、けが・病気を招く
労委会は、サラリーパーソンが疲労を感じる主な原因は、仕事内容や労働時間の長さが主な原因ではなく、成績至上主義や理不尽な職場環境などからくる精神的なストレスだと指摘。疲労度が高いと、▽身体の凝り▽情緒不安定▽睡眠障害──などの症状が出るという。
疲労指数が高い方から上位20%の雇用者は、残り80%の平均と比べ、病気による休暇日数が2.9倍、業務中のけが・病気の率が2.1倍に上った。
同調査は昨年9月に、雇用者、雇用主、自営業者を対象に、仕事をする上での精神的な疲れ、挫折感などについての質問に5段階評価での回答を求めた。有効回答件数は2万4,996件だった。