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TSMC、23年に2.5ナノ導入か(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2020年12月2日_記事番号:T00093452

TSMC、23年に2.5ナノ導入か(トップニュース)/台湾

 2日付電子時報が半導体設備業者の話を基に報じたところによると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は2.5ナノメートル(3ナノプラス)製造プロセスを2023年下半期にリリースするようだ。大幅な微細化を実現するとされるゲート・オール・アラウンド(GAA)技術を採用して2ナノプロセスを研究開発(R&D)しているものの、多くの時間と労力がかかるため、先に3ナノと2.5ナノ(3ナノプラス)を提供し、サムスン電子に対抗する狙いだ。

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 競合のサムスンは、22年にGAA技術を初めて採用した3ナノプロセスで量産を開始すると宣言している。

 TSMCの2.5ナノ(3ナノプラス)プロセス月産能力は4万~4万2,000枚の計画とされ、最初の顧客はアップルとなるようだ。

 TSMCは、これまで採用してきた立体構造トランジスタ(FinFET)技術では3ナノ以降が困難なため、2ナノプロセスでGAA技術を採用するとみられている。

4ナノ以降、2社対決

 TSMCは、7ナノプロセスと、極端紫外線(EUV)リソグラフィー技術を採用した7ナノ強化版(7ナノプラス)でサムスンに圧勝したのに続き5ナノプロセスが今年第2四半期に量産に入った。21年末まで受注が確実なもようだ。

 一方サムスンは、11月中旬に5ナノプロセス採用のプロセッサー「Exynos(エクシノス)1080」を発表したばかりだ。サムスンは既に4ナノプロセスで初のモバイル製品がテープアウト(設計完了)しており、22年に3ナノプロセスに移行すると表明。TSMCから先進プロセス競争のリードを奪い取る構えだ。

 TSMCは4ナノプロセスが21年第4四半期に試験生産の予定。アップルを皮切りに、エヌビディア、インテルが採用するとみられている。月産能力は20年下半期に9万枚、21年上半期に10万5,000枚、21年下半期に12万枚まで引き上げる計画だ。

 TSMCの3ナノプロセスは、南部科学園区(南科)Fab18工場の第4~6期拡張工事中だ。21年に試験生産、21年下半期に月産3万~3万5,000枚、22年第2四半期に量産後は5万5,000枚、23年には10万5,000枚と予想されている。半導体設備業者によると、技術的難易度が高く、生産コストも高いので、料金も高くなるとみられ、当初の顧客はアップル、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とされる。

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