ニュース 電子 作成日:2020年12月3日_記事番号:T00093478
液晶パネル大手、友達光電(AUO)の彭双浪(ポール・ポン)董事長は2日、東南アジアで工場設置を検討していると初めて言及した。米中貿易戦争で中国からのサプライチェーン移転が進む中、車載用やディスプレイモジュール組み立てを、顧客の近くで行う考えだ。3日付経済日報などが報じた。
彭董事長は、米中貿易戦争によって国際分業からサプライチェーン短縮へと生産形態が移行しつつあると指摘した。地域ごとに顧客の近くで生産することで、コストは上昇するものの、現地の市場の変化に対応し、製品をカスタマイズできると説明した。
設置先は顧客と協議し、検討中だ。彭董事長は、自身がマレーシアに9年住んだことがあり、候補の一つと明かした。
車載用は近年使用量が増え、サイズが大型化、カスタマイズの難易度が上がっていると指摘した。自動車メーカーの要望があれば、中国以外での工場設置を検討すると述べた。
ディスプレイモジュールについては、顧客の東南アジア進出に伴い、包装や輸送コストが増えていると指摘。AUOは27~65インチの大型サイズを取り扱い、モジュール化して納品しており、顧客が必要とすれば、近くに工場を設置することを検討すると述べた。
モニターは、パネルのコストが70%以上を占める一方、ノートパソコンは、パネルのコストが20%に過ぎない。また、テレビ用パネルはサイズが大きく、輸送が難しい。このため、ノートPC、テレビ用パネル生産は移転しないと語った。
研究開発は台湾
AUOは今後も台湾で、主要製品の生産や研究開発(R&D)を行う。台湾には中部科学園区(中科)の第8.5世代工場をはじめ、多くのパネル工場を擁している。中国は江蘇省蘇州市、昆山市、福建省アモイ市にモジュール工場、シンガポールは第4.5世代工場、スロバキアにモジュール工場がある。
一方、群創光電(イノラックス)は、東南アジアへの工場設置について言及していない。同社は昨年、新竹科学園区(竹科)と南部科学園区(南科)の既存工場を拡張し、テレビの組み立てや車載用パネルなどを生産する計画を明らかにした。投資額は701億台湾元(約2,600億円)。
21年上半期まで受注見通し
彭董事長は、来年上半期の受注が固まっていると明かした。6月からパネル価格が50~70%上昇する異例の好況で、来年いっぱい楽観している。
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