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《ワイズ横丁》登山事故急増、ネットで同行者募集が74%/台湾


ニュース 社会 作成日:2020年12月7日_記事番号:T00093547

《ワイズ横丁》登山事故急増、ネットで同行者募集が74%/台湾

 台湾では今年、従来は厳しい規制を設けていた山間地域への一般人の立ち入りを開放する政策が進められている上、新型コロナウイルス感染拡大により海外渡航が難しいことから、登山客の数が大幅に増え、登山事故の発生も増えている。インターネットを通じて同行者を募って「登山隊」を結成するケースで登山事故の発生が多いようだ。

 11月17日、ネットを通じて集まった7人が中央山脈の畢禄山(南投県~花蓮県)から羊頭山(花蓮県)にかけて縦走しようとしたが、4人が羊頭山の登山口に到達した時、残りの3人がはぐれたことに気づき、救助を要請。捜索隊が徹夜で捜索し、2人を発見したが、残りの女性参加者1人は翌朝、遺体となって発見された。

 死亡した女性の両親は、登山隊のリーダーは、各参加者の経歴や体力を把握しておらず、登山保険にも加入していなかったと指摘。応募者に服装や装備などについて何の説明もしておらず、娘が死亡する原因を作ったと非難した。

 台湾では最近、交通費や登山に掛かる費用を減らそうと、フェイスブック(FB)やLINE(ライン)といった便利なソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で同行者を募集し、一緒に登るという方式が広まっており、募集が掛けられるとすぐに満員になるほど人気を博している。

 しかし、面識のない者同士で結成された「登山隊」は参加者の経験や体力にばらつきが大きく、途中で全体から遅れ、脱落するケースも多い。主催者もリスク管理などの観念に乏しく、危険性が高いとベテラン登山者は指摘した。

 実際、内政部消防署の統計によると、昨年は206件だった「山の事故」が今年は407件に増加。今年事故に遭った登山者563人のうち約74%に当たる414人が、ネットなどで募集して結成された登山隊の参加者だった。

 裾野の広がりやネットツールの普及により、近年では経験の浅い登山者が、縦走など難易度の高い登山にいきなり挑戦するケースが目立っている。登山に関する安全知識の普及に努める民間団体、中華民国山難救助協会・捜救組の江宇川組長も、ネット上の情報は参考程度にとどめ、実地で経験を積んで挑戦する山のレベルを徐々に上げていくべきと提言した。