ニュース 電子 作成日:2020年12月9日_記事番号:T00093578
IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)の蔡力行執行長は8日、第5世代移動通信(5G)対応スマートフォン用の新旗艦チップを来年第1四半期に発表すると予告し、できれば春節(旧正月、2021年は2月12日)に間に合わせたいと語った。5G対応スマホの世界での浸透率は来年38%まで倍増すると楽観している。米クアルコムと5G対応ハイエンドチップ市場で正面対決する。9日付経済日報などが報じた。
メディアテックの5G対応ハイエンドチップは、昨年11月に発表した「天璣(Dimensity)1000」シリーズや、今年5月に発表した同シリーズ上位版「天璣1000プラス」がある。
サプライヤーによると、メディアテックの5G対応新旗艦チップ、コードネーム「ネクストD」は、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の7ナノメートル製造プロセス強化版(7ナノプラス)を採用するようだ。業界の観測によると、TSMCの先進プロセスは供給が非常に逼迫(ひっぱく)しており、特に5ナノはアップルが生産能力ほぼ全てを確保しているため、メディアテックが5ナノ採用製品をいつ投入できるかは不透明だ。
メディアテックが5G対応新旗艦チップの発表時期を予告したのは、クアルコムが先週発表した5G対応の新旗艦チップセット「スナップドラゴン888」への対抗とみられる。スナップドラゴン888は、サムスン電子の5ナノプロセスを採用。21年発売のスマホに搭載される見通しで、小米集団(シャオミ)、OPPO広東移動通信、維沃移動通信(vivo)、華碩電脳(ASUS)などブランド14社が採用するとされる。
サプライヤーによると、メディアテックはこの他、来年上半期にミドルレンジチップ「5GB(コードネーム)」、ローエンドチップ「5GC」を発表するようだ。クアルコムのスナップドラゴン6シリーズや4シリーズ新製品と市場シェアを取り合うと予想される。
クアルコムが値下げ競争を仕掛けているとの観測に対して蔡執行長は、「価格競争は毎年のこと」と語った。
DX加速、通信量急増
蔡執行長は、今年の5Gスマホ浸透率は18%の見込みで、21年は38%、22年は49%、23年は58%近くまで上昇すると予測した。
次世代の6Gについては、国際標準がまだ策定されておらず、同社は前段階の研究開発(R&D)にとどまっていると述べた。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって、テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)やオンライン学習などがニューノーマル(新常態)となる中、蔡執行長は、デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速し、ネットワークトラフィック(通信量)の18~22年の年平均成長率(CAGR)は26%に上ると予測した。
【図】
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