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鴻海、台湾投資を大規模推進


ニュース 電子 作成日:2008年8月6日_記事番号:T00009361

鴻海、台湾投資を大規模推進

 
 鴻海集団の郭台銘董事長は6日午前、同集団を訪れた劉兆玄行政院長と共に、▽富士康科技集団など海外子会社の台湾回帰上場▽台湾での有望産業への投資拡大▽新都市建設▽高雄港を同集団のアジア最大のロジスティクスセンターとすること──からなる大規模な台湾投資計画を発表した。このうち最低1,000億台湾元(約3,500億円)を投じる新都市建設は、ハイテクと環境保護を標榜した街づくりという新たな取り組みで成否が注目される。中央社などが6日報じた。
 
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 海外子会社の台湾上場について郭董事長は、「既に上場している企業も、また、上場準備中の企業も台湾への回帰上場の準備を直ちに始める」と語った。

 6日付経済日報によると、香港株式市場に上場している携帯電話受託製造の富士康の時価総額は480億香港ドル(約6,660億円)に上り、台湾上場が実現した場合、世界的な下落に見舞われ沈滞している株式市場の活性化を促す役割が期待される。

 また、台湾事業の強化としては、▽光電産業▽医療設備産業▽デジタルコンテンツ産業▽精密設備産業▽オートメーション産業──への投資拡大を挙げた。研究開発(R&D)要員2万人を含む、計3万件の雇用を創出するとしている。

積極的な県市を選定
 
 新都市「デジタル環境保護ハイテクタウン」は、24万人規模で建設する計画だ。無線インターネット、インテリジェント交通、デジテル医療などのサービスを配備し、太陽エネルギー発電を利用して環境保護に配慮する。建設地は計画に積極的な県市を選ぶ方針で、郭董事長は6カ月以内に行政院に報告したいとしている。「デジタルハイテクタウン」が成功した場合、世界各地にも売り込みを図りたい考えだ。

 なお、鴻海はベトナム北部のバクニン省とバッカン省で3,000ヘクタールの用地を取得し、50億米ドルで新都市造りに着手している。

高雄をロジセンターに
 
 郭董事長はさらに、高雄港を同集団のアジア・ロジスティクスセンターと位置づける考えを示した。同集団のベトナムや中国アモイでの投資計画に合わせて、原材料に調達や製品加工などを行っていく。高雄ソフト園区での投資と合わせて関連企業の進出が期待でき、高雄の発展に貢献できるとした。

 郭董事長は、「世界経済の情勢は現在厳しい」という認識を示しつつ、「政府が規制緩和と建設によって経済とハイテクを固めること、およびファンダメンタルズと産業構造調整には良いタイミングだ。鴻海は台湾経済の将来と、政府の政策と実行力に自信を持っている」と語り、今後の事業展開への自信を示した。