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陳水扁政権の国務機密費資料、機密指定取り消し


ニュース 社会 作成日:2008年8月7日_記事番号:T00009364

陳水扁政権の国務機密費資料、機密指定取り消し


 馬英九総統は6日、陳水扁政権下の国務機密費不正流用疑惑に関連し、関連資料の機密指定を取り消すことを決めた。7日付自由時報などが伝えた。

 馬総統は陳水扁前総統が国家絶対機密に指定した国務機密費関連の公文書について、「国家機密保護法が定める条件を満たしておらず、機密とは言えない」として、機密指定取り消しを決定した。現職総統が前総統による機密指定を取り消すのは異例で、機密指定が障害となっていた国務機密費不正流用疑惑をめぐる捜査は大きな進展が見込まれる。

 馬英九政権発足後、最高検察署は総統府に対し、国務機密費関連の公文書の機密指定を解除するか、機密レベルを引き下げるよう書面で求めていた。馬総統は機密指定の「解除」ではなく、機密指定自体が法律に違反していたとの判断で「取り消し」という異例の対応を取った。検察の捜査上の障害は取り除かれたものの、現職総統が前総統の職務権限に基づく行為を取り消したことの妥当性については論議を呼びそうだ。

 機密指定が取り消されたのは、国務機密費の明細書、予算書、収支報告などで、総統府は軍事、外交上の機密に該当するものはないと判断した。

 これについて、陳前総統は機密指定取り消しは違憲だと強く反発し、「総統の国家機密保持義務は退任で消滅するものではない。後任の総統が政治闘争の必要からみだりに前任総統の絶対機密を取り消せば、国家の安全や国益を著しく損ねる」と批判した。