ニュース 電子 作成日:2020年12月15日_記事番号:T00093671
業界の観測によると、ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は2021年以降、12インチウエハー工場での受託生産価格に対し慣例として行ってきた値引きを廃止する。最大3%の実質値上げだ。ファウンドリーの生産能力不足が下半期より深刻化し、聯華電子(UMC)、世界先進積体電路(VIS)が来年の値上げを表明する中、TSMCも実質値上げに踏み切る格好だ。15日付工商時報などが報じた。
観測によると、TSMCは21年から12インチ工場の▽7ナノメートル製造プロセス▽10ナノ▽28ナノ▽40ナノ▽55ナノ──などの値引きを廃止する。これまで3%以下の値引きを行っていた。
業界関係者によると、ファウンドリー業界ではこれまで12インチ工場の生産能力拡大が続く中、確実に受注するため、3~5%の値引きを行うことが慣例となっていた。
サプライヤーによると、TSMCは生産能力の規模が大きく、歩留まり率が高く、受託生産価格が業界平均より高かったため、値引きを廃止してもあまり影響はないとみられる。TSMCが前回値引きを取りやめたのは、65ナノが中心で、生産能力が逼迫(ひっぱく)していた10年第2四半期のことだ。
TSMCは14日、市場のうわさについてはコメントしないと説明し、価格についても回答しなかった。顧客はパートナーであり、顧客からの信頼を重視していると強調した。
UMCも12インチ工場の受託生産に対する値引きを取り消すとの観測が出ているが、同社はコメントしないとした。
8インチ生産能力、競争入札か
8インチ工場はさらに供給が逼迫している。観測によると、台湾のファウンドリー大手は、来年第2四半期の一部生産能力の顧客への配分を競争入札で決定するようだ。受託生産価格は3~4割高くなるとみられている。
IC設計会社によると、8インチ工場の受託生産価格は通常、ウエハー1枚当たり約300~600米ドルで、入札方式により100~300米ドル値上がりする見込みだ。
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