ニュース 社会 作成日:2020年12月16日_記事番号:T00093710
道路用地を不法に占拠しているとの指摘を受けた屏東県潮州鎮の道教廟、福安宮が40メートル離れた空き地に移転することが決まり、15日に近隣住民や信徒1,600人が縄で廟を移転する儀式が執り行われた。
潘屏東県長(前右2)も信徒らとともに縄を引いた(15日=中央社)
日本統治時代に建立されたとみられる福安宮は土地公(福徳正神、土地を守る神様)を祀る廟で、昨年建て替えられた。その後、この建物が道路用地を占拠していることが発覚。1年間にわたり県政府と協議を重ねた結果、元の場所から西へ約40メートル離れた300坪ほどの空き地に移転することが決まった。
空き地は県の所有地で、県政府は廟側がこの土地の購入費を用意できるまで5年間にわたり貸し出すことに合意した。
廟の移転を請け負う建設会社は、建物を持ち上げて移転先まで平行移動させる方法を採用。福安宮は、もともとは北向きに建っていたが、移転に伴い東向きに設置されるため、回転させつつ移動することとなった。
廟側は、新しい設置場所が決まった喜びを信徒と分かち合うため「千人遷廟儀式」を実施することを決定。15日午前11時に福安宮に集まった潘孟安・屏東県長や近隣住民、台北など遠路はるばる駆け付けた信徒、計1,600人は、盛大に爆竹が鳴らされた後、「福気啦(ホッキーラ、「幸運」を意味する台湾語)!」の掛け声とともに縄8本を10度引っ張り、重量1.2トンを超える建物を2メートル動かした。
儀式に参加した信徒からは、廟の移転という得難い経験ができ、歴史的な瞬間を見られてうれしい、といった喜びの声が聞かれた。
福安宮は今後、機械の力を借り、1~2週間をかけて移転を完了する予定だ。「新居」に落ち着いた後も、これまでと変わらず地域に福をもたらしてくれることだろう。
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