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《ワイズ横丁》陽明山で相次ぐ水牛の死、2カ月で24頭/台湾


ニュース 社会 作成日:2020年12月22日_記事番号:T00093819

《ワイズ横丁》陽明山で相次ぐ水牛の死、2カ月で24頭/台湾

 台北市北部の陽明山には日本統治時代に農業用の水牛のための牧場が設置されていたが、戦後、管理する者がいなくなり、現在では野生化している。その水牛が今年に入り、相次いで死んでいるところを発見された。当初は気温の低下が死因と考えられていたが、実際には栄養不足が原因と判明した。

/date/2020/12/22/19Buffalo_2.jpg台北市政府と新北市政府の動物保護防疫処が召集した専門家が共同で、山中で解剖し、死因を解明した(18日=中央社)

 日本統治時代、竹子湖(台北市北投区)周辺など陽明山一帯では農業が盛んで、農作業には多くの水牛が利用されていた。農閑期にこれら水牛を預けるための牧場が擎天崗など3カ所に開設された。

 戦後、陽明山の水牛牧場は台北市農会(農協)が管理を引き継いだが、農業形態の変化に伴い持ち主のいない牛が増え、山中で野生化した。

 2016年に実施された調査によると、擎天崗の草原に29頭の水牛が生息していたほか、石梯嶺に19頭、磺嘴山に16頭の群がそれぞれ確認された。

 水牛が最近、相次いで死んでいるとの情報が耿葳・台北市議(国民党)に寄せられた。陽明山国家公園管理処(陽管処)の統計によると、今年2月に1頭、10月14日~11月末に7頭、12月1~8日に8頭の計16頭が死んでいたことが発覚。その後も水牛の死は続き、22日現在、累計24頭にまで増えている。

 陽明山で1年間に死ぬ水牛の数は例年2~5頭で、今年は異常に多く死んでいることが明らかとなった。

 陽管処は当初、水牛の死について気温の低下が原因との見方を示していたが、解剖の結果、餌の成分と品質の悪さによる栄養不足が原因との可能性が強まった。伝染病関連の検査では陰性が確認されている。

 陽管処は、今年は水牛の頭数が増えた上、陽明山では連日雨が続き、餌となる植物に含まれる微量ミネラルが減少したことが栄養不足を引き起こしたとの見方を示した。

 同機関は現在、水牛がなめて栄養を補給できるようブロック型の固形飼料を生息地に設置しているほか、タンパク質の補充用に干し草を購入して与えるなどの対策を取っている。