ニュース 電子 作成日:2021年1月4日_記事番号:T00093950
業界の観測によると、緯創資通(ウィストロン)傘下のネットワーク機器メーカー、啓碁科技(ウィストロンNeWeb、WNC)が、アップルが今年発売するとされるスマートフォン新機種iPhone13シリーズに、第5世代移動通信(5G)のミリ波(mmWave)帯対応アンテナを供給するようだ。受信品質を左右する重要部品のアンテナを台湾メーカーとして初めてiPhone向けに供給することになり、既存サプライヤーの村田製作所と受注を分け合うとみられる。4日付経済日報などが報じた。
啓碁科技は観測に対し、コメントしなかった。ただ謝宏波董事長は先日の業績説明会で、今年は5G関連製品の出荷が増える見通しで、特に米国向けのミリ波分野に注力すると説明。5G関連の売上高構成比は前年の2~3倍に拡大すると予測していた。
業界関係者によると、昨年10~11月発売のiPhone12シリーズのミリ波アンテナは1台当たり3個で、高周波(RF)モジュールに組み込まれている。現在5Gで主流のサブ6ギガヘルツ(GHz)帯向けよりも設計が複雑で、クアルコムが設計し、村田製作所が生産しているとされる。
アップルは、iPhone12シリーズのうちミリ波対応機種を米国限定で販売している。業界の予測によると、ミリ波対応機種の出荷台数は2,500万台。今後は、各国・地域の政府や通信キャリアがミリ波帯での5G通信の展開を拡大する見通しで、今年のiPhone13シリーズではミリ波対応機種が増えると見込まれる。アップルがクアルコムと共にミリ波アンテナの第2サプライヤーを探した結果、啓碁科技が選ばれたようだ。
啓碁科技は、ノートパソコン向けアンテナの世界市場シェア35%で首位。アンテナの設計からパッケージング・テスティング(封止・検査)、モジュール化まで手掛けており、クアルコムと5G設備、車載用、Wi-Fi6、Wi-Fi6Eなどチップの開発・設計で提携している。
筆頭株主のウィストロンの持ち株比率は約22.6%。
緯創の中国工場、立訊に売却完了
ウィストロンは1日、同社の中国のiPhone組み立て主要拠点だった緯創投資(江蘇)と緯新資通(昆山)の全株式を、中国の立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー)に33億人民元(約520億円)で売却した。
ウィストロンは昨年7月に、売却計画を発表していた。ウィストロンのiPhone組み立て業務は今後、インド工場で行っていく。
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