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TSMC、日本に先進封止工場か(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2021年1月5日_記事番号:T00093973

TSMC、日本に先進封止工場か(トップニュース)/台湾

 消息筋によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は近く、日本の経済産業省と折半出資で合弁会社を設立し、東京に先進パッケージング・テスティング(封止・検査)工場を設立するもようだ。5日付聯合報によると、台湾海峡の緊張が高まる中、米国アリゾナ州にTSMCが5ナノメートル製造プロセスの12インチウエハー工場を設置する計画を受け、経済産業省は、日本の半導体産業の地位低下を懸念し、あらゆるチップに必要な後工程の封止・検査工場を日本に誘致する考えとされる。

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 TSMCと日本側は近く提携覚書(MOU)を交わし、発表すると予想されている。実現すれば、TSMCにとって海外初の封止・検査工場で、同社の工場所在地は台湾、中国、米国、日本となる。中国側は、TSMCに対し南京工場の投資拡大を求めているとされる。

 聯合報などによると、経済産業省は昨年4月中旬に、TSMCと合弁で、日本先進半導体研究開発(R&D)センター(JASRC)を設立する協議を交わし、計画の補助金として予算1,900億円を編成した。その後TSMCは、日本の半導体設備や材料の技術は優勢だが、サプライチェーン(供給網)に半導体製造が足りないとして、日本でのファウンドリー工場設立を見送った経緯があるとされる。

封止事業、米玉傑氏主導か

 TSMCは、法人説明会前の沈黙期間のため、コメントできないと説明した。来週14日に開催予定だ。

 TSMCは新年度に伴い、封止・検査事業は余振華・研究開発副総経理が卓越院院士兼研究開発副総経理に異動し、米玉傑・資深副総経理が率いるようだ。封止・検査事業の新体制は、かつてTSMCで元共同営運長(COO・最高執行責任者)として研究開発部門を率いていた蒋尚義氏が2021年1月から中国の競合、中芯国際集成電路製造(SMIC)副董事長に就任し、チップレット(チップを小分けにして組み合わせる新技術)技術を導入するとみられることも背景にあるようだ。

 これまでTSMCの封止・検査事業を率いてきた余・研究開発副総経理は、半導体のヘテロジニアス・インテグレーション(異種統合)封止技術で、アップル、ザイリンクス、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、聯発科技(メディアテック)などの受注を獲得したほか、アップルのプロセッサーを何世代も独占受注しており、昨年は2.5次元(2.5D)、3次元(3D)IC封止技術を導入するなどの成果を出した。

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