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鴻海と中国の吉利控股、EV受託生産で合弁(トップニュース)/台湾


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2021年1月14日_記事番号:T00094178

鴻海と中国の吉利控股、EV受託生産で合弁(トップニュース)/台湾

 電子機器受託生産サービス(EMS)最大手、鴻海科技集団(フォックスコン)は13日、中国の自動車メーカー大手、浙江吉利控股集団と折半出資の合弁会社を設立し、世界の自動車やモビリティー産業に対し、電動自動車(EV)を含む自動車の受託生産やカスタムメイドのコンサルティングサービスを提供すると発表した。鴻海は、完成車の組み立ての経験を積むことで、EVや自動運転車事業を前進させる。14日付経済日報などが報じた。

/date/2021/01/14/00foxconn_2.jpg鴻海の劉董事長(左4)、創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)前董事長(左3)。吉利控股とオンラインで契約式を開催した(同社リリースより)​

 鴻海は、自動車のコネクテッド、自動化、シェアリング、電動化という「CASE」の流れの中、設計から製造まで、完成車、部品、スマート制御システムやエコシステムのワンストップサービスを提供すると説明。既存の自動車産業のやり方にとらわれず、情報通信技術(ICT)産業の分業モデルを取り入れると表明した。

 新会社の董事会は、鴻海側が3席、吉利控股が2席を派遣し、董事長は鴻海が指名する。

アップルカー受注も視野か

 市場関係者は、吉利控股は従来型の自動車メーカーで、新エネルギー車(NEV)導入が必須と指摘。鴻海は世界最大のEMSで、ICT製品の製造やサプライチェーンマネジメントの経験は豊富だが、自動車の組み立ての経験は不足していた。吉利控股との合弁で、受託生産などのサービスを提供することで、経験を積み、学習曲線を短縮し、リスクを分散、自動車の電子部品の出荷も増える。将来的には、アップルのEV「アップルカー」受託生産の受注を狙うとみられている。

 鴻海は昨年10月、自動車大手の裕隆集団と、EVオープンプラットフォーム「MIH」を発表した。鴻海の劉揚偉董事長は当時、EVプラットフォームで2年以内に結果を出し、2025~27年にはEVの世界市場予測3,000万台のうちシェア10%以上を取得したいと語っていた。

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 鴻海はこれまでEV分野で、▽フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)▽裕隆汽車製造(ユーロン・モーター)▽中国のEVベンチャー、拝騰汽車(バイトン)──とも提携を結んでいる。鴻海傘下の筐体(きょうたい)メーカー、鴻準精密工業(フォックスコン・テクノロジー)はアルミニウム合金鋳造技術の開発に成功し、既にBMWのサプライチェーン入りを果たしたとみられている。

【表】