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《新型肺炎》病院の集団感染3人増、28日まで警戒感(トップニュース)/台湾


ニュース 社会 作成日:2021年1月18日_記事番号:T00094229

《新型肺炎》病院の集団感染3人増、28日まで警戒感(トップニュース)/台湾

 中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は16~18日、新型コロナウイルス域内感染と12日に発表された医師(第838例)が勤める桃園市の病院で、20代女性看護師(第852例)、30代男性医師(第856例)、看護師(第863例)の感染を新たに確認したと発表した。同病院のクラスター(感染者集団)は計5人になった。指揮センターは、同病院で感染者と接触したことがある医療関係者など80人全員を出勤停止にすると発表した。指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は、潜伏期間を考慮し、1月28日まで観察が必要との見方を示した。18日付蘋果日報などが報じた。

/date/2021/01/18/00chen_2.jpg陳衛福部長は、自身が最近マスクを着用しているのは風邪のためで、新型コロナウイルスの検査は陰性だったと語った(16日=中央社)

 陳衛福部長は18日、同病院に指揮センターの前進指揮所を設置するなど対策6項目を発表した。専門家を指揮所に配置し、防疫対策の指導・協力を行う。また、医療関係者には軽微な症状でも即時に報告させ、指示に基づき医療機関を受診させる。

 中央社によると、同病院は、衛生福利部桃園医院(桃園市桃園区)とされる。

2回目の検査で陽性

 看護師(第852例、16日感染確認)は、10日の当直で医師(第838例)とナースステーションで1時間、一緒に仕事した際に感染したとみられる。11日に受けた1回目の検査は陰性だった。14日に軽い咳(せき)と喉の違和感があり、体温計や薬の購入のため、市中の薬局を2度訪れていた。15日夜に診療所を受診した際、発熱があり、新型コロナウイルス感染の恐れがあると判断され再検査を受け、感染が確認された。

 同居の家族3人は検査の結果、陰性だった。父親と兄は、鼻水の症状があり、病院で隔離措置を受けている。立ち寄り先の薬局や診療所の接触者7人は陰性だった。看護師(第852例)の病院の患者や付き添いの家族76人のうち、63人は検体を採取し、62人が陰性だった。1人は検査結果待ちだ。接触のあった医療実習生8人も検査中だ。

 この看護師(第852例)の感染確認を受け、指揮センターは、12日に感染を確認した医師(第838例)と同居の女性看護師(第839例)の接触者として医療関係者265人に対する2回目の検査を実施し、17日に医師(第856例)の感染を確認した。ほか224人は陰性で、残りは検査結果待ちだ。

 医師(第856例)は10日、当直をしていた医師(第838例)と、受け持ちの患者の病状について10分ほど対面で会話していた。新型コロナウイルス感染者を担当する医師(第838例)はろ過効率の高いN95規格マスクを着用していたが、医師(第856例)は医療用マスクを着用していた。医師(第856例)は慢性的な鼻炎で、ここ数日は症状が少しひどかったと振り返った。

 医師(第856例)の病院の患者や付き添いの家族は45人で、うち2人は検査で陰性だった。43人は結果待ちだ。病院内の従業員の接触者94人は検査中。家族3人は陰性を確認し、市中での接触者19人は結果待ちだ。医師(第856例)の立ち寄り先は調査中だ。

 看護師(第863例)は、12日の検査は陰性だったが、14、15日に鼻詰まりや咳の症状が出ていた。医師(第856例)の接触者だったことから再検査を受け、感染が確認された。

人員不足で動線曖昧に

 指揮センターによると、ゲノム配列解析の結果、医師(第838例)は、米国から昨年12月27日に帰台した60代男性(第812例)から感染した可能性が高い。

 医師(第838例)から感染が広がったことについて指揮センターは、同病院は人員不足で、当直医師が新型コロナウイルス感染者の病室から一般患者の病室に出向くなど、ゾーン分類と動線管理が徹底できていなかったと認めた。

 陳衛福部長は、同病院の閉鎖は行わないが、新型コロナウイルス感染リスクがある「レッドゾーン」に出入りする医療従事者を限定するなどと説明した。