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ペガトロンの中国筐体工場、立訊が過半出資へ(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2021年1月29日_記事番号:T00094464

ペガトロンの中国筐体工場、立訊が過半出資へ(トップニュース)/台湾

 電子機器受託生産大手、和碩聯合科技(ペガトロン)は28日、15日に完全子会社化した筐体(きょうたい)メーカー、鎧勝控股(ケーステック・ホールディングス)の孫会社、日鎧電脳配件が、中国の立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー)を引き受け先とする増資を実施すると発表した。ラックスシェアによると、2月3日に60億人民元(約970億円)を子会社経由で出資予定で、出資比率は50.013%となる。29日付経済日報などによると、ペガトロンは、アップルの意向に添い、今年スマートフォンiPhone組み立てに参入するとみられるラックスシェアのパートナーとして、中国で筐体供給で協力する一方、インドや東南アジアへの生産移転を加速するようだ。

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 ペガトロンは、日鎧電脳配件が登録資本金を33億5,200万人民元増やし、ペガトロンは出資せず、ラックスシェアから出資を受け入れると発表した。ケーステック完全子会社の日麗国際は、日鎧電脳配件への出資比率が100%から46.487%に低下する。残り3.5%は従業員持ち株会の保有となる。

 日鎧電脳配件は、ラックスシェア側が董事長と董事2人、ペガトロン傘下の日麗国際が董事2人を派遣する。ラックスシェアは、日鎧電脳配件の経営の主導権を握り、iPhone向け筐体の安定供給を受けられる見通しだ。

 程建中・ペガトロン副董事長兼ケーステック董事長は、必要のない生産能力競争を、友好的な戦略提携に変え、ペガトロングループのリソースをさらに有効利用すると説明した。

 ペガトロンは昨年7月までにラックスシェアに0.57%出資しており、日鎧電脳配件がラックスシェアからの出資を受け入れることで、両社の関係が緊密になると予想される。経済日報によると、アップルの意図が働いており、米中貿易戦争でG2(米中二極体制)が進む中、中台のサプライヤーの生産能力の配置を最適化する狙いがあるとみられている。

印・越に新工場

 ペガトロンは同日、インド南東部のタミル・ナードゥ州チェンナイの工業団地「マヒンドラワールドシティ」の工業用地約1万1,900坪を取得すると発表した。投資額は10億2,700万ルピー(約14億7,000万円)。27日にはベトナムの借地での工場建設に1兆7,700億ドン(約80億円)投資すると発表していた。いずれも下半期の工場稼働が見込まれている。

 受託生産大手、緯創資通(ウィストロン)は今年1月1日、iPhone組み立ての主要拠点だった中国工場をラックスシェアに売却した。今後インドでのiPhone組み立てに注力するとみられている。

【表】