ニュース 電子 作成日:2021年2月2日_記事番号:T00094515
世界的な車載用半導体不足で、日・米・ドイツが外交ルートを通じて台湾政府に増産の協力を要請する中、車載用半導体メーカーは生産能力を確保するため台湾のファウンドリーに対し、価格を25~30%上乗せする条件を提示しているようだ。業界関係者は、たとえ受託生産価格を上乗せしたとしても、ファウンドリーはフル稼働で3カ月先まで生産スケジュールが決定しており、車載用半導体の量産開始はどんなに早くても3カ月後と予測した。2日付経済日報が報じた。
業界関係者は、台湾積体電路製造(TSMC)など大部分のファウンドリーは、車載用半導体を最優先対応の「スーパーホットラン(SHR)」で順番に割り込ませ、他の半導体と同時に作ることになれば、生産効率も歩留まり率も下がり、コストが高まるので、受託生産価格に上乗せがなければ、引き受けないと指摘した。
あるファウンドリーに勤める従業員は、「スーパーホットラン」は久しぶりで、工場は目の回る忙しさで、多くの従業員が除夕(旧正月の大みそか、2021年は2月11日)しか休めないと語った。
これまでにTSMCなどが車載用半導体の受託生産価格を15%引き上げるとの観測が出ていた。業界関係者は、現在は第2四半期分の交渉期間で、ファウンドリーの第2四半期価格はさらに上昇すると予測した。
TSMC、既に見直し着手か
TSMCは1日、価格については言及せず、顧客価値の提供に尽力するとのみコメントした。聯華電子(UMC)は、捻出した生産能力は車載用半導体を優先するが、既に決まっている車載用以外の顧客向け生産には影響しないと説明した。
クレディ・スイスや野村証券は1日発表したレポートで、TSMCは車載用半導体を増産するため、利益率が比較的低いパネル用ドライバICや相補性金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー(CIS)の一部生産能力を調整していると分析した。これにより、今後パネル用ドライバICやCISの供給逼迫(ひっぱく)が予想されている。
モルガン・スタンレーは、TSMCは車載用半導体の緊急受注に対応するため、一部の受注をキャンセルするか受託生産価格を引き上げると予測した。半導体の供給不足が緩和するのは下半期との見方を示した。
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