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作成日:2008年8月12日_記事番号:T00009459
MRT空港線、土木工事の入札難航
台北市内と桃園国際空港を結ぶ都市交通システム(MRT)空港線の土木工事入札が、鉄鋼など建設資材の急騰で流札となるケースが相次ぎ、工事の遅れは避けられない状況となっている。交通部高速鉄路工程局は「開通時期は予測不可能で、早急に対策が必要だ」として、18日にも建設各社と会合を持ち、入札参加を働き掛ける方針だ。12日付経済日報が伝えた。
高鉄局は11日、入札を円滑に進めるため、入札資格のうち過去5年以内の施工経験を求めた部分を10年に緩和し、物価上昇分を政府が補助するなどの対策を講じる方針を明らかにした。
龐家驊高鉄局長は「建設会社は施工中の事業を多く抱えている上、発注者に物価上昇分の補助金を求めている段階で、補助金が入るまでは資金に余裕がないようだ」と指摘した。
業界関係者は「鉄筋の調達契約は通常1年だが、最近の相場急騰で契約が3カ月間に短縮され、鉄筋の安定確保や受注面でのリスクが高すぎる」と話した。
MRT空港線の予算編成時点で、鉄筋相場は1トン当たり1万6,000台湾元(約5万6,000円)だったが、現在は3万元まで急騰している。6工区で必要となる鉄筋コストは104億元増加し、鋼板、セメント、輸送コストなどの上昇分を含めると、総工費は200億元以上増加する見通しだ。
MRT空港線(総延長51.5キロ)は台北駅から桃園空港を経て、高速鉄道桃園駅、中レキ駅(レキはつちへんに歴)に至るルートで建設される。完成後は台北駅と桃園空港を35分で結ぶ。当初は10年末に三重~中レキ駅間、2011年に三重~台北駅の地下区間が完成する予定だったが、入札の遅れで三重~中レキ駅間は少なくとも2年、地下区間は少なくとも1年工期が遅れる見通しだ。