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大同、EVバス向け動力システム初受注(トップニュース)/台湾


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2021年3月3日_記事番号:T00094866

大同、EVバス向け動力システム初受注(トップニュース)/台湾

 大同(TATUNG)は2日、電動バス(EVバス)メーカーの唐栄車両科技(TAV)と、モーターシステムの国際販売に関する契約締結式を行い、唐栄車両から大型EVバス国際高効率規格の最高レベル「IE5」の動力システム100セットを受注した。工業技術研究院(工研院、ITRI)と3年かけて共同開発した初の台湾製大型EVバス動力システム(モーターと駆動装置)で、大同にとって初のEV用モーターの受注となった。3日付経済日報などが報じた。

/date/2021/03/03/00tatung_2.jpg盧董事長(中)は、大同のモーター事業は70年の歴史があると指摘した(2日=中央社)

 唐栄車両傘下の路線バス運行会社の四方は、台湾で最大のEVバス規模を誇る。唐栄車両と四方の董事長を兼任する何義純氏は、EVバスの台湾生産化が最も困難な部品は、車両の心臓部といえる17トンの駆動コントローラーだと指摘。EV用駆動コントローラーは独シーメンスなど海外5社の寡占状態のため、大同から供給を受ければ、海外からの輸入に頼らずに済むと期待を寄せた。

 大同は、唐栄車両にまず動力システム10セットを納入する。3カ月以内に整合テストを完了する予定だ。第2四半期には、四方が3カ月間のシャトルバスのモデル運行を実施する。

 第4四半期からは、大同が開発したEVバス用プラットフォームをインドやタイなど海外向けに販売する目標だ。同時に、エコ商用車や車両総重量3.5トンの小型EV商用車向けにも拡大する計画だ。

EVバス1.6万台に照準

 大同の盧明光董事長は、交通部は今後10年でバス1万6,000台をEVバスに切り替える計画だと指摘した。政府は「大気汚染防止アクションプラン」で、2030年から路線バスと公用車の新規購入を全面電動化する目標を掲げている。

 盧董事長は、自身が董事長を務める車載用電子メーカーの朋程科技も大同のEV事業拡大を支援すると説明。今後、台湾製EVコアモジュールを完成させ、EV商用車やEVバスのサプライチェーン垂直統合で、シェア拡大を目指すと表明した。