家具販売大手、ＩＫＥＡ（イケア）は14日、４月26日に台北市松山区の敦北店の営業を終了すると発表した。敦北店は1998年にオープンした台湾２号店。面積3,200坪と、台湾全６店で最も小型だ。ＩＫＥＡは昨年、延べ床面積２万2,000坪で台湾最大となる新桃園店（中壢区青埔）をオープンするなど、郊外の大型店舗にシフトしている。敦北店の営業終了と同時の、台北市内湖区での新店舗オープンに期待が高まる。中央社電などが伝えた。

23年の歴史に幕を閉じる敦北店に対し、「オープン当時が懐かしい」「思い出がたくさんある」など営業終了を惜しむ声が多数寄せられた（同社ＦＢより）

　ＩＫＥＡは2019年11月、量販店大手の大潤発（ＲＴマート）の内湖１店（台北市内湖区）に出店する考えを示していた。オープン時期など詳細は不明だ。ＲＴマートのホームページによると、ＲＴマート内湖１店は現在、改装で営業停止中。登記によれば、内湖１店の敷地面積は5,115.85坪、延べ床面積は7,619.19坪。ＩＫＥＡは、敦北店の営業を終了すれば、台北市内の既存店舗がなくなる。

　ＩＫＥＡ新桃園店の20年７月23日オープン時は、前日の22日に桃園店（桃園区）が営業を終了し、空白期間を作らなかった。

売り尽くしセール開催中

　ＩＫＥＡは14日、同社フェイスブック（ＦＢ）で敦北店の営業終了を発表し、「敦北店は、大勢の人たちとの出会いの起点で、学生時代や引っ越し、結婚による新居購入、子供の誕生など人生の重要な節目に寄り添ってきた」とメッセージを投稿した。すると、別れを惜しむコメントなどが30分足らずで1,000以上、驚きや悲しみのリアクションが2,000以上寄せられた。敦北店はきょう15日から最大70％引きのクリアランスセールを開催する。

　ＩＫＥＡは現在６店舗。20年７月に新桃園店をオープンしたほか、19年５月に「台湾で最も美しいＩＫＥＡ」とうたう面積6,600坪の新店店（新北市新店区）をオープンした。他３店舗は、▽新荘店（新北市新荘区）、06年オープン（面積8,200坪）▽台中店（台中市南屯区）、13年オープン（面積１万1,000坪）▽高雄店（高雄市前鎮区）、06年オープン（面積7,000坪）──。台南市での出店を待ち望む声も出ている。

　台湾１号店の敦南店は、台北市大安区の永琦百貨（現在の遠東そごう台北敦化館）の地下フロアーで94年12月にオープンし、01年９月に営業を終了した。