ニュース 医薬 作成日:2021年3月16日_記事番号:T00095083
英アストラゼネカ(AZ)などが開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンを接種後、血栓が確認されたなどとしてドイツやフランスなどが接種見合わせを発表する中、台湾の中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は15日、アストラゼネカ製ワクチン接種について、▽ワクチンの成分にアレルギーがある▽18歳以下──など8種の人に対しては禁止・延期・慎重に判断するとの方針を示した。現時点で台湾に到着しているワクチンはアストラゼネカ製の11万7,000回分のみ。来週にも医療関係者から接種を開始する見通しだ。16日付聯合報などが報じた。
日本で「ワクチン休暇」が検討されていることに対し荘広報官は、労働部と検討すると述べた(14日=中央社)
指揮センターがアストラゼネカ製ワクチンの接種不適当者としたのは▽ワクチンの成分に対してアレルギーがある▽1回目の接種後に深刻なアレルギー反応が出た▽18歳以下──の3種の人。医師が接種を慎重に判断すべきとしたのは、▽血小板減少症や、血友病など血液凝固障害がある人▽免疫機能障害がある人▽妊婦、または妊娠している可能性がある女性▽授乳婦──。一方、接種を延期とすべき対象は▽重篤な急性疾患にかかっている、発熱か急性感染症を伴う──人で、風邪をひいている場合などを例に挙げた。
指揮センターの荘人祥広報官は、アストラゼネカの発表によると、欧州連合(EU)と英国でアストラゼネカ製ワクチンを接種した1,700万人のうち、深部静脈血栓症15件、肺血栓塞栓症22件の合計37件が報告されているが、医学統計学上、ワクチンを接種しなくとも血栓は100件以上発生する可能性があると指摘した。
アストラゼネカは15日、EUと英国でアストラゼネカ製ワクチンを接種した1,700万人以上を調べたが、深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症、血小板減少などのリスクとの関連性は証明できなかったと説明した。
東京五輪選手、優先接種1位へ
7月23日開幕の東京五輪に向け選手やコーチの出境が近づく中、指揮センターは15日、選手らを公費での接種の優先順位1位に従来の4位から繰り上げた。対象は約1,000人で、4月下旬~5月上旬、6月下旬~7月上旬に2回接種する計画だ。
荘広報官は、出境日を基に接種スケジュールを決め、副反応か単なる風邪か確認できるよう、同じチームの選手は接種時期を分けると語った。
ワクチン、下半期に供給過剰も
消息筋によると、台湾製ワクチンは海外のワクチンより開発が遅れているが、人工的に変異株を作り出し、試験したところ、効果が確認できたようだ。
ただ専門家は、台湾では新型コロナウイルス感染例が極めて少なく、台湾のワクチンメーカーは第3相の臨床試験(治験)を実施することが困難だと指摘した。一方、海外のワクチン大手はわずか2~3カ月で1万人規模の臨床試験を実施しており、下半期にはワクチンが供給過剰となり、価格が下がり、買い手市場になるとの見方を示した。
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