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五輪のTV中継、史上最悪と苦情殺到


ニュース 社会 作成日:2008年8月14日_記事番号:T00009520

五輪のTV中継、史上最悪と苦情殺到


 地上波テレビ局4社(台視、中視、華視、民視)による北京五輪競技の放送に対し、視聴者から「史上最悪」という苦情が殺到している。放送時間が短か過ぎ、台湾代表選手の競技や注目の国際競技を見られないことが最も視聴者の不興を買っているが、▽試合の途中に突然CMが入る▽試合展開に関係なく中継が終わる▽深夜など視聴しにくい時間帯に放送が集中している▽司会者がうるさくコメントも素人同然──など不満は多岐にわたる。

 昨年テニスの全豪オープン女子ダブルスで準優勝した詹詠然・荘佳容のペアに対する関心は高かったが、実況は行われなかった。「ニュースチャンネルが速報する点数をながめているしかなかった。悲惨の一言だ」と会社員の蕭さんは憤る。男子シングルス、廬彦勲の2回戦の試合は最後の瞬間に広告が入ったということで、「番組に戻ったときには試合は終わっていて、廬選手が競技場から離れるところだけ見た」とネットユーザーの陳さんはため息だ。「怒りでテレビをぶち壊したくなった」という声すら珍しくない。

 MOD(マルチメディア・オンデマンド)で北京五輪を配信している中華電信の提携業者で、放映権を持つ愛爾達科技(CH5)の放送時間は計3,800時間。これに対し、地上波テレビの放送時間は1チャンネル166時間。つまり、地上波テレビで見られるのは全体の17%のみ。中華電信のMODで見る場合、最低800台湾元(約2,800円)のセットトップボックスを購入し、受信契約を結ばなければならない。

 国家通信伝播委員会(NCC)は視聴者の不満を受けて、地上波4社に対し五輪中継を増やすよう要求。CM時間数の超過についても厳しく取り締まる方針だ。テレビ局側は台湾代表が出場する試合の放送をできるだけ増やすことを約束した。

 約1億5,000万元の北京五輪放送権は、4社が共同で購入した。民視を例にとると、放送権利金に税金や衛星費用、人件費を加えた支出額は2億4,000万元に上る。各局は少なくとも1,000万~1,500万元の赤字が出る見通しだ。

 次回のロンドン五輪は放送権が約3億1,100万元とさらに高額のため、地上波各社は、ケーブルテレビ局に購入を譲ることを検討しているという。