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パワーチップ新工場着工、「半導体価格上昇続く」(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2021年3月26日_記事番号:T00095267

パワーチップ新工場着工、「半導体価格上昇続く」(トップニュース)/台湾

 力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)傘下のファウンドリー、力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)は25日、新竹科学園区(竹科)銅鑼科学園区(苗栗県銅鑼郷)で12インチウエハー工場に着工した。月産能力10万枚、2023年に稼働予定だ。黄崇仁(フランク・ホアン)董事長は、新たに生産ラインが稼働しないので、半導体不足は来年末まで続く見通しで、受託生産価格は今年4月にさらに上昇すると予想した。26日付工商時報などが報じた。

/date/2021/03/26/00powerchip_2.jpg蔡英文総統(左2)は着工式典に出席し、台湾を守る半導体産業のため、過去56年で最も深刻な水不足問題の解決に全力を尽くすと述べた(総統府リリースより)

 新工場は工場2基で構成され、当初の月産能力はそれぞれ2万5,000枚、22年9月に設備を搬入する。就業機会3,000件を創出する見込みだ。投資額は2,780億台湾元(約1兆円)。パワーチップグループにとって15年ぶりの工場新設で、半導体業界にとって世界的な供給不足に陥って以来で最大規模の投資だ。

 黄董事長は、顧客から早くも同工場の生産能力を確保するため打診があったと明らかにした。顧客の半導体製造装置を借り受けて生産する「オープン・ファウンドリー方式」を採用すると述べた。

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が先進プロセスの新工場を建設していることに対し黄董事長は、3ナノメートルの製造プロセスなら投資額が6,000億元かかるが、同社は25~55ナノの成熟プロセスで1,000億元しかかからないと指摘。特に供給が逼迫(ひっぱく)している▽車載用▽第5世代移動通信(5G)▽AIoT(人工知能+モノのインターネット)──向けチップを生産し、少ない投資で大きく稼ぐと説明した。

コロナ収束で需要増大

 黄董事長は、半導体の受託生産価格は昨年末から3~4割上昇したが、まだ適正水準に届いていないので、必ずまだ上昇すると述べた。ファウンドリーの▽ディスプレイ用ドライバIC▽電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)▽金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)▽メモリー──などあらゆる製品の生産能力は満杯で、年内は生産能力不足が続くと予測した。

 また、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が落ち着くにつれ、世界各地で経済活動が再開し、需要がさらに増大するので、半導体不足は続くと分析した。