ニュース 政治 作成日:2021年3月29日_記事番号:T00095289
太平洋の友好国、パラオのウィップス大統領が28日午後3時50分、桃園国際空港に到着した。新型コロナウイルス感染症の世界的流行後で初めての海外の元首の訪台だ。米国がパラオに1月にワクチンを提供しており、米国のヘネシー-ナイランド駐パラオ大使が同行した。ウィップス大統領は、パラオと米国、台湾のパートナーシップで訪台が実現したと、友好関係をアピールした。30日午後に蔡英文・総統と会談し、4月1日に台湾~パラオ間の観光客の往来を再開する「トラベルバブル」第1便で帰国する予定だ。29日付自由時報などが報じた。
ウィップス大統領(右2)は、台湾で美しい風景や美食を楽しみ、台湾とパラオの関係深化を図りたいと語った(28日=中央社)
ウィップス大統領は出迎えた呉釗燮・外交部長らに、ヘネシー-ナイランド米国駐パラオ大使を紹介。米国から1月に新型コロナウイルス感染症ワクチンの第1弾が届き、今回の訪台が実現できたと話し、パラオと米国、台湾が共同で努力した結果だと強調した。
ウィップス大統領は1月の就任後初の外遊先として台湾を選んだ理由について、台湾との相互信頼関係だと語った。新型コロナウイルス感染対策を講じ、台湾とパラオ間の団体旅行で入境後の外出制限「居家検疫」を免除する「トラベルバブル」について、初めての試みになると指摘した。
台湾の外交部は、台湾とパラオ間のトラベルバブルは、双方の感染抑え込みの成功だけでなく、確固たる友好関係や、互いを重視した信頼関係の表れだと指摘した。外交部によると、28日夜時点で米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)のコメントはない。
蘋果日報によると、米国大使の訪台は、1979年の米台断交後初めて。ヘネシー-ナイランド米国駐パラオ大使は、外交官としてオーストラリア、フィジーなどに駐在し、駐太平洋海兵隊の外交顧問を務めた経歴がある。2019年の上院聴聞会では、台湾は米国の重要なパートナーで、中国の軍備拡張を封じ込める必要があると発言した。
あす蔡総統と会談
ウィップス大統領は29日午前、新光呉火獅紀念医院(新光医院)を訪れ、健康診断を受けたほか、パラオからの入院患者を見舞った。
今後のスケジュールは、▽29日午後6時20分、記者会見▽午後7時、蘇貞昌・行政院長の晩餐会に出席▽30日午前、北部の企業訪問▽午後4時、蔡・総統と総統府で会談▽午後6時、晩餐会に出席▽31日、南部の造船、水産・養殖業を視察▽4月1日、トラベルバブル第1便の団体ツアー客と同じ航空便で帰国──。
入境前3日以内に検査を受けており、台湾入境後は検査を受けない。事前に計画した専用の動線で行動し、一般市民との接触を避ける。台湾滞在中は、外交部の職員がマスク着用で全行程を随行する。
パラオからの医療観光も
ウィップス大統領の訪問団は20人余りで、うち大統領の父親ら8人は自費での治療目的で訪台した。8人は医療機関で14日間の居家検疫を受け、3回の検査で新型コロナウイルスの陰性が確認できてから、治療を開始する。
07年以来、パラオに医療従事者226人を派遣するなど、現地の病院と交流がある新光医院の洪子仁・副院長は、パラオとの医療外交の重要性が鮮明になったと指摘した。
新光医院の統計によると、パラオからの医療目的の訪台はこれまで延べ4,000人に上る。洪・副院長は、昨年は新型コロナウイルスの影響で、高額のチャーター機を利用しなければならず、3分の1に減少したが、今も16人が台湾で治療を受けていると説明した。
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