ニュース 電子 作成日:2021年3月30日_記事番号:T00095312
NOR型フラッシュメモリー最大手、旺宏電子(マクロニクス・インターナショナル、MXIC)の呉敏求・董事長は29日、NOR型フラッシュメモリーは▽第5世代移動通信(5G)▽電気自動車(EV)▽医療──など向け需要が激増しており、供給不足が今後2年続くとの見通しを示した。顧客がNOR型フラッシュメモリーを確保するために、ダブルブッキング(二重発注)やトリプルブッキング(三重発注)しているほどの状況だと語った。30日付経済日報などが報じた。
呉董事長は、半導体業界の好況でファウンドリーの生産能力不足が深刻で、NOR型フラッシュメモリーの生産も圧迫されていると語った。新工場を建てるにしても、工場建設、設備搬入、検査、認証、量産まで通常2年かかるので、NOR型フラッシュメモリー供給不足は2年は続くとの見方を示した。
呉董事長は、今から工場を拡張しても足元の需要に間に合わないと語り、マクロニクスの生産能力拡大に慎重な姿勢を示した。
マクロニクスは、NOR型フラッシュメモリーの世界市場シェア25%以上。台湾の同業、華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)を合わせると、世界市場シェアの過半を占める。
呉董事長は、NOR型フラッシュメモリーの上位5社のうち台湾2社以外について、▽米マイクロン・テクノロジーはDRAMが主力製品▽米サイプレス・セミコンダクターは昨年インフィニオン・テクノロジーズに買収され、NOR型フラッシュメモリーの生産能力を削減する可能性がある▽中国の北京兆易創新科技(ギガデバイス・セミコンダクター)は中国のファウンドリー最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)に生産を委託しており、SMICは米中貿易戦争の影響で、半導体製造設備の調達に時間がかかる──と指摘した。
欧米・日韓の自動車向けも
NOR型フラッシュメモリーは携帯電話やパソコン、家電製品、通信基地局、自動車などに欠かせない。
呉董事長は、EVやハイブリッド車(HV)でも自動運転支援機能やコネクテッドカーに各種ICが必要で、NOR型フラッシュメモリーの需要増大が予想され、今後マクロニクスは車載用で市場シェアが急成長すると予測した。
マクロニクスは既に、欧米、日本、韓国などの自動車メーカーのサプライチェーン入りを果たしている。
このほか呉董事長は、同社は血糖値測定器や心臓病検査向けにも供給しており、これら製品は既に量産されていると明かした。
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