ニュース 電子 作成日:2021年3月31日_記事番号:T00095339
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音(マーク・リュウ)董事長は30日、世界的な半導体不足に陥ったのは、不確定要素が増えているためで、オーバーブッキング(重複発注)まで出現していると指摘した。ただし、28ナノメートルなどの成熟プロセスは、全世界にある生産能力が需要を上回っていると述べた。31日付経済日報などが報じた。
劉・董事長は台湾半導体産業協会(TSIA)理事長として年度大会に出席した後、世界的な半導体不足の要因について語った。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行後、▽デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速▽テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)など新しい生活様式──により、そもそも半導体の需要が増えていると指摘した。
一方で、外的要因により半導体を調達できなくなる懸念が高まっていると語った。例えば、米中貿易戦争を受け、サプライチェーンが移転を迫られたり、米国の制裁で中国・華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)への半導体輸出が規制されたりしていると指摘した。
こうした中、サプライチェーン断絶を懸念した顧客が、オーバーブッキングしたり、在庫水準を引き上げたりしていると分析した。
ただし、28ナノプロセスは、新型コロナや米中貿易戦争が原因の一時的な供給不足にすぎず、実際の需要より全世界の生産能力の方が大きいと指摘した。
今後の半導体需要については、第5世代移動通信(5G)や人工知能(AI)の発展により、長期的な増加が見込めると語った。TSMCは顧客の需要に応えるため、成熟プロセスを含む生産能力を増強すると述べた。
一方、成熟プロセスを主力とする聯華電子(UMC)と力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)傘下の力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)は30日、顧客の需要は非常に強いと強調した。
UMCは、今年の設備投資を15億米ドルへと前年より50%引き上げ、28ナノプロセスの生産能力を20%拡大する計画だ。5Gやテレワーク、電気自動車(EV)向けの力強い需要が理由だ。
TSMC、宜蘭に工場設置か
31日付中国時報は消息筋の話として、西部の水不足の深刻化を受け、TSMCが水資源の豊富な宜蘭県で新工場建設用地を探していると報じた。TSMCが提示した条件は面積100ヘクタール(ha)以上と、新竹科学園区(竹科)宜蘭科学園区より広く、宜蘭県政府がすぐに見つけ出すことは困難なようだ。
TSMCは、具体的な工場建設計画はないとしつつ、宜蘭県には科学園区があり、いかなる可能性も排除しないと説明した。
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