ニュース 運輸 作成日:2021年4月7日_記事番号:T00095415
死者50人、重軽傷217人の大惨事となった2日の台湾鉄道(台鉄)特急太魯閣(タロコ)号脱線の事故状況について国家運輸安全調査委員会(運安会、TTSB)は6日、監視カメラの映像や作業車のドライブレコーダーを基に、調査報告を行った。タロコ号が衝突し、脱線の原因となった作業車は、施工会社、義祥工業社の責任者、李義祥・容疑者(49)が直前まで運転。衝突の1分前に、線路脇の高台の工事現場から線路上に落下したと説明した。花蓮地方検察署(地検)は、工事現場には李・容疑者を含む複数の人物がいたとして、過失致死罪の疑いで捜査を進める。7日付自由時報などが報じた。
7日未明に第1清水トンネルから引き出されたタロコ号の先頭車両8号車は前面が潰れており、事故の衝撃を物語っている(7日=中央社)
路上の監視カメラの映像によると、李・容疑者は2日午前8時、事故の原因となった作業車に廃棄タイヤを積載し、花蓮市を出発した。助手席に同乗者がいたようだ。午前8時50分ごろに工事現場に到着。9時20~25分には別の車両も次々と到着した。
李・容疑者はこれまでの取り調べで、視察のため工事現場に一人で赴き、工事は行っておらず、作業車は坂に停車し、ブレーキをかけていたと供述していたが、虚偽だったことが発覚した。
TTSBの楊宏智・主任委員は、李・容疑者が運転する作業車は、工場現場でカーブを曲がりきれず、草むらに引っかかって停車した後、車体の右側面から草木の生い茂る坂を転がり落ちたと説明した。そばには大型クレーン車があった。途中は録画されておらず、落下までに何があったのか引き続き調査する。最終的な調査報告は8月の予定だ。
作業車が転がり落ちた部分は、草木がなくなり、土がむき出しになっている(3日=中央社)
タロコ号が作業車に衝突したのは午前9時28分で、花蓮県消防局に初めの通報があったのは午前9時31分、通報者は女性だった。その後、計20本の通報があったが、李・容疑者からの通報はなかった。
一方、監視カメラの映像によると、李・容疑者はタロコ号の衝突後、119にも110にも通報せず、台鉄の担当者に電話していた。台鉄も、担当者が午前9時35分に李・容疑者から電話を受けたことを認めた。
衝突4秒前にブレーキ
TTSBが公開したタロコ号のドライブレコーダーの映像によると、事故のあった第1清水トンネルの250メートル手前の和仁トンネルを抜けた後は、曲がりくねった線路で見通しが悪く、運転士はすぐに線路上の作業車を確認できなかった。運転士がブレーキをかけたのは衝突の3~4秒前で、2秒前から減速したが、時速125~126キロメートルで走行中で停車できず、正面から作業車に衝突して脱線し、第1清水トンネルに突っ込んだ。
楊・主任委員は、タロコ号の運転は正常で、運転士は停車しようとブレーキをかけており、必要な責任を果たしていたと説明した。
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