ニュース 運輸 作成日:2021年4月8日_記事番号:T00095440
台湾鉄道(台鉄)特急太魯閣(タロコ)号が脱線した原因となった、線路上にあった作業車は、人為的ミスで工事現場から転落した可能性が高まっている。消息筋は7日、線路脇の工事現場で事故当日、李義祥・容疑者(49)が草むらに突っ込んだ作業車をクレーン車で動かそうとし、ロープが外れて線路上に転落したと語った。ドライブレコーダーの記録から、李・容疑者が違法に雇用していたベトナム籍の男(26)が事故現場にいたとみられ、花蓮県警察局が7日、身柄を拘束して取り調べ、送検したようだ。8日付聯合報などが報じた。
大破したタロコ号の先頭車両8号車から7日、遺体の一部が見つかった。51人目の死者の可能性もある(7日=中央社)
消息筋によると、クレーン車のドライブレコーダーに李・容疑者と一人の人物が交わした会話が残されていた。事故当日の朝、李・容疑者は作業車の助手席にベトナム籍の男を乗せて工事現場に向かった。
消息筋によると、李・容疑者は工事現場で作業車を運転中、急カーブを曲がりきれず草むらに突っ込み、動きが取れなくなったため、降車した。作業車を方向転換しようと考え、クレーン車のアームと、作業車をロープでつなぎ、クレーン車に乗り換えた。けん引の最中にロープが外れ、作業車は斜面を転がり落ち、1分後にタロコ号と衝突した。死者50人、重軽傷218人の大惨事となった。
事故発生後、李・容疑者はベトナム籍の男を違法に雇用していたため、現場から逃していたようだ。
国家運輸安全調査委員会(運安会、TTSB)の楊宏智・主任委員は7日の立法院交通委員会で事故状況を問われ、検察が捜査中とのみ答弁した。楊主任委員が6日の調査報告で説明しなかったのは、関係者の身柄を拘束する前だったからと、消息筋は指摘した。
花蓮地方検察署(地検)は、李・容疑者は事故当日、工事現場を視察していたわけではないが、これ以上は説明できないとした。花蓮地検はこれまでに、工事現場で土木を担当していた仕事仲間など20人以上を事情聴取した。
工期遅れの罰金懸念か
事故が発生した2日は、清明節(4月5日)連休の初日だった。
事故現場には車両の残骸が残っている(7日=中央社)
台鉄は、清明節連休の工事停止を通知していたが、監視カメラの映像によると、事故当日、複数の車両が工事現場に到着していた。
台鉄関係者は、工期の遅れを懸念して工事をしていたとみている。工事は99%進んでいたが、期日の4月26日までに完了しなければ、1日遅延するごとに、契約額の1,000分の1の遅延金が発生する。契約額が1億2,000万台湾元(約4億6,000万円)とすると、遅延金は1日当たり12万元余りに上る。
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