ニュース 運輸 作成日:2021年4月12日_記事番号:T00095491
台湾鉄道(台鉄)特急太魯閣(タロコ)号が線路脇の工事現場から転落した作業車に衝突して脱線した事故で、施工業者の違法受注の疑いが浮上する中、花蓮地方検察署(地検)は9日、台鉄の担当者が業者から接待や金銭の供与を受け、施工監理の不備を見逃していた疑いがあるとして、台鉄4人と業者2人の計6人を贈収賄、過失致死、文書偽造などの容疑で事情聴取した。事故があった2日は工事停止期間だった。台鉄担当者の贈収賄が死者49人もの悲惨な事故を引き起こしたとなれば、人の命を預かる公共交通機関として許されない。12日付自由時報などが報じた。
台鉄花蓮工務段の熊・施工主任(中)。監視カメラによると、事故直後の午前11時に現場に駆け付け、工事現場で李・容疑者と会話していた(9日=中央社)
花蓮地検は、台鉄花蓮工務段の熊徳育・施工主任と潘堂益・主弁工程司を公文書偽造の疑いで事情聴取し、10日未明にそれぞれ保釈金15万台湾元(約58万円)、30万元で保釈した。工事が設計通り行われているか確認する施工監理の聯合大地工程顧問の李進福・監造主任、張斉富財・衛生担当は過失致死の疑いで事情聴取し、保釈金50万元、30万元で保釈した。
台鉄花蓮工務段の戴金原・段長、林峯正・副段長は取り調べを受けた後、釈放された。
周芳怡・主任検察官は、証拠は押さえてあり、捜査を急ぐと述べた。
検察はこれまでに、施工業者の義程営造などの責任者で、転落直前まで作業車を運転していた李義祥・容疑者(49)と、事故現場にいたとされる違法就労のベトナム籍の男(26)を勾留した。また、李・容疑者の義程営造などに代わり、政府調達を落札したとされる東新営造の黄平和・董事長や、朝昇土木包工業の林長清・代表らを政府採購法(政府調達法)違反で事情聴取し、保釈金400万元、300万元で保釈した。
東新営造は過去5年で、計39件、17億6,500万元もの公共工事案件を落札していた。現在工事中の6件のうち5件が花蓮県政府の案件だ。
容疑者は全部で10人となった。李・容疑者は事故直後、まず朝昇土木包工業の林・代表に、続いて台鉄花蓮工務段の熊・施工主任らに電話をかけたとされる。
死者49人に訂正
花蓮地検は11日、タロコ号脱線事故の死者は49人に訂正すると発表した。5日までに死者49人の身元を確認し、50人目とされていた遺体や組織をDNA鑑定した結果、他の遺体の一部と確定した。
負傷者は216人で、11日午後3時までに188人が退院した。
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