ニュース
社会
作成日:2008年8月15日_記事番号:T00009551
タクシー運転手、時給はマックのバイト以下
台湾のタクシー運転手は昨年、1日平均で10.2時間労働、走行距離142.2キロメートル、休日は月平均2.9日という過酷な労働条件ながら、平均の手取り月収はわずか2万1,305台湾元(約7万7,000円)だった。時給に換算すると約77元で、マクドナルドのアルバイトの95元を下回る。こうした厳しい実態が、交通部のアンケート調査によって明らかになった。
運転手の平均年齢は約50歳で2005年から1歳上がったが、収入は1,698元減少した。減収は主にガソリン価格の上昇が原因だ。このため、12の県市がタクシー運賃の値上げを認可したが、「値上げ後に乗車率が低下した」という運転手は74.6%、「収入が減少した」は61.3%に上り、かえってマイナスになってしまったようだ。1日の平均空車時間は3.6時間にも上る。
タクシー運転手の陳さんはガソリン価格の高騰後、以前より毎日2時間長く営業し、1日16時間働くことも珍しくない。それでも手取り収入は3万元に満たないという。
無線や衛星を使った配車システムを利用しているタクシーは、街を流してお客を拾うタクシーよりも、1日の売り上げが平均386元多い。月27日営業すると、売上高は平均より月1万400元多く、手取り収入も8,000元多い計算になる。こうした配車システムを搭載しているタクシーは現在、全体の20%に満たない。
交通部は、タクシーステーションの設置や、無線や衛星による配車システムの普及を呼び掛けている。しかし、タクシーステーションの設置には、タクシー会社の不法占拠が目立つとして、73.7%の運転手が不満を抱いていることもわかった。
調査は今年2~4月に郵送で行われ、回収率は48.6%、有効回答数は6,923台分だった。