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陳前総統、剰余選挙資金の不正送金を謝罪


ニュース 政治 作成日:2008年8月15日_記事番号:T00009554

陳前総統、剰余選挙資金の不正送金を謝罪


 陳水扁前総統は14日、記者会見を開き、1994年から2000年にかけ出馬した台北市長と総統の計4回の選挙で、呉淑珍夫人が余った選挙資金を海外の銀行口座に不正送金していたことを認め謝罪した。本人が選挙資金の不正を認めたことで、既に捜査が進んでいる国務機密費不正流用疑惑を含め、陳前総統が起訴される可能性は一段と高まった。
   
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謝罪する陳前総統。不正で得た所得を海外に送金した場合、5年以下の懲役に問われる可能性がある(14日=中央社)

 5日付台湾各紙によると、陳前総統は退任後初めて開いた記者会見で、「過去に法的に許されないことをしていた」と述べ、選挙経費を不正申告していたことを謝罪した。陳前総統が民進党幹部に明らかにしたところによれば、呉淑珍夫人が海外送金した選挙資金は2,000万米ドルに上るという。

 陳前総統は不正送金の事実を知った経緯について、「今年初めに呉淑珍夫人が余った選挙資金を海外に預けてあることを認めた」と説明した。

 陳前総統はまた、宋楚瑜・親民党主席、李登輝元総統、連戦・国民党名誉主席などにも不明朗な海外送金があったほか、今年3月の総統選でも馬英九陣営が政治献金を過少申告しているなどとして、他の政界関係者にも不正の疑いがあると主張。その上で、「自分は批判や取り調べを受ける用意がある」と表明した。

 選挙資金の不正送金は公務員財産申告法違反などに当たるが、起訴されても罰金処分を下されるにすぎない。ただ、検察は陳前総統が着服した国務機密費を海外送金しておきながら、故意に「余った選挙資金」だと主張している可能性もあるとみて、捜査を本格化させる方針だ。

 民進党は14日夜、「事実に率直に向き合う陳前総統の勇気を評価する」などとする声明を発表したが、党勢が低迷する中での「爆弾発言」にショックを隠せずにおり、党幹部らは一様にコメントを控えた。