ニュース 電子 作成日:2021年4月15日_記事番号:T00095574
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の南部科学園区(南科)にある12インチウエハーを使用するFab14B工場P7で14日午前11時から午後4時まで、停電が発生した。観測によると、最大3万~4万枚のウエハーが破棄となり、損失は10億台湾元(約38億円)に上るとみられる。同工場が40~45ナノメートル製造プロセスで手掛ける相補性金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー(CIS)や車載用電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)は供給が逼迫(ひっぱく)しており、停電により納品が3カ月以上遅延する恐れがある。15日付経済日報などが報じた。
TSMCは同日夕方、電力供給は回復しており、実際の影響は状況確認後に改めて説明するとコメントした。
業界関係者によると、Fab14B工場P7では停電発生後すぐに大部分の設備で無停電電源装置(UPS)が稼働し、工場全体への電力供給の停止は回避したようだ。通常、露光・現像などの重要な装置はUPSが搭載されている。
業界関係者は、同工場で生産していたCMOSイメージセンサーや車載用の電源管理ICは、納品が3カ月以上遅れるとの見通しを示した。
近隣の先進製造プロセス工場や特殊プロセスのFab14B工場P8は、停電しなかった。
工事でケーブル破損か
停電の原因について台湾電力(台電、TPC)は、南科の変電所付近でハイテク企業が工事を行っていた際に、161キロボルト(kV)の地下ケーブルを誤って破損したためと説明した。緯創資通(ウィストロン)傘下のネットワーク機器メーカー、啓碁科技(ウィストロンNeWeb、WNC)の新工場建設工事を指すようだ。
WNCは同日夜、南科新工場の建設工事はTPCが提供した情報を基に行っており、調査して施工上の過失が見つかれば、委託業者に損害賠償を請求すると説明した。
UMC、生産に影響なし
地下ケーブルの破損に伴い、TSMC以外の工場でも、電圧が一時、最大50%低下した。ファウンドリー大手の聯華電子(UMC)と半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)大手の南茂科技(チップモス・テクノロジーズ)は、生産に影響はなかったと説明した。
液晶パネル大手の群創光電(イノラックス)は、UPSや発電機を設置しており、生産に大きな影響はなかったと説明した。瀚宇彩晶(ハンスター・ディスプレイ)は、状況は確認できていないと回答した。ガラス基板最大手の米コーニングの台南工場は、設備に一時影響があったが、すぐに生産を再開しており、出荷は通常通りと説明した。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722