行政院は14日、閣議で今年年末に「両岸搭橋専案(中台架け橋プロジェクト)」を始動することを決めた。太陽光電産業など12産業を選定し、「1年交流、2年協議、3年提携」の進度で中台産業界のさらなる協力促進、友好的な経済環境の構築を目指す。また、この計画を国際企業による台湾投資拡大への呼び水としたい考えだ。15日付工商時報などが報じた。
劉兆玄行政院長。「競争力向上には、規制緩和と投資、それに建設が必要だ」と強調した(14日=中央社)
尹啓銘経済部長は「架橋プロジェクト」について、「中台におけるバリュー・チェーン(価値連鎖)内での分業、競争上の相対的な優劣、経済貿易での相互利益を検討した上で、12産業を選定して交流を進める」と語った。
優先される産業としては、▽漢方薬▽太陽光電▽自動車エレクトロニクス▽航空▽紡織・繊維▽通信▽自転車──を挙げた。「1産業1プラットフォーム」を原則とし、漢方薬産業については、12月に中台企業および業界団体を対象に戦略連盟を結成する計画だ。
今後は、1産業につき毎年2回の非政府組織の主催による検討会実施を目指す。今年12月から来年末にかけては10回以上の中台産業検討会を開催する計画で、各会議200~300人規模とし、少なくとも40~50人の中国人関係者を招待する予定だ。研究開発(R&D)、生産、流通・販売における提携、および資本提携などを議題とするという。
「さらなる対中規制緩和を」
尹部長は規制緩和をさらに進めて中台産業界の協力関係を構築したい考えで、「9月には、中国資本に対する台湾での生産、建設、サービス事業への投資開放を発表し、域内企業に対する産業別対中投資規制の緩和についても検討を進める」としている。その上で、「中台産業の提携を、国際企業の台湾への投資拡大につなげたい」という従来からの姿勢を強調した。
域内投資、4年で4兆元
尹経済部長は同日、中台産業の提携プラットフォーム構築計画のほか、▽域内重大投資計画▽国際的な誘致拡大──の3点を柱に競争力向上を目指す「天網計画」を行政院に提出した。
域内重大投資は、液晶パネル、半導体、バイオテクノロジー、太陽光電などの産業を対象に、今後4年間で4兆台湾元(約14兆円)の投入を目標とする。同計画に関する報告を聞いた劉兆玄行政院長は、「エキサイティングだ」と感想を語った。