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作成日:2008年8月18日_記事番号:T00009585
漁人碼頭の観光客、2年で76万人も減少
台北近郊の日帰り観光地、淡水の「漁人碼頭」(台北県淡水鎮)を訪れた観光客数が、2005年の191万人から、06年には153万人、昨年は115万人まで落ち込み、わずか2年で76万人も減少したことが交通部観光局の統計で分かった。
漁人碼頭はもともと小さな漁港だったが、台北県の重点風景区の一つとして観光用に整備され、01年3月に竣工した。「情人橋」(恋人橋)の名で親しまれるベイブリッジや、「木桟道」と呼ばれる遊歩道などがあり、夕日の観賞スポットとしても有名だ。
台北県政府の統計では今年5月、漁人碼頭を訪れた観光客は23万人で、昨年同月11万人の2倍以上の数字となった。ただし、交通部観光局によると、これは台北県政府が集計方法を大幅に見直して、膨らませた結果にすぎないという。
漁人碼頭の観光客数はこれまで、有料駐車場を利用した乗用車の数を基に計算していた。しかし、今年からはエリア内に出入りする路線バスや船をすべて満席としてカウント、バイク駐車場も管理費の名目で1台10台湾元(約35円)を徴収して観光客数にカウントし始めた。
淡水漁港管理所によると、5,000万元をかけて設立された観光魚市場は9カ月前に閉館。権利金を当初の月50万元から30万元まで下げて、新たな経営者を求めて入札を募集しているが、実際に入札企業があるかは分からない。また、5月のリニューアルオープンを予定し、600万~700万元をかけて改装した「魚食館推広中心」は現在も放置されたままになっており、危機的状況にあるという事実は隠しようもない。
淡水漁港管理所は、「数字の見栄えだけ良くしても問題解決にはならない」と嘆いている。