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《新型肺炎》中華航空、パイロット全員に隔離14日間(トップニュース)/台湾


ニュース 社会 作成日:2021年5月11日_記事番号:T00096009

《新型肺炎》中華航空、パイロット全員に隔離14日間(トップニュース)/台湾

 中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は10日、中華航空(チャイナエアライン)のパイロット全員と客室乗務員(キャビンアテンダント、CA)の一部に対し、14日間の外出制限「居家検疫」を行うと発表した。パイロットや防疫ホテル従業員、家族などの新型コロナウイルス感染確認が36人に上り、複数の感染経路が考えられることから、同社内に感染者がまだ存在する可能性があるためだ。業界では、中華航空は今後2週間、パイロット不足で半数近くの便の運航を取り消すとみられ、貨物輸送能力の逼迫(ひっぱく)が深刻化すると予想されている。11日付経済日報などが報じた。

/date/2021/05/11/00air1_2.jpg王国材・交通部長は、中華航空のパイロット300人が検疫対象となり、チャーター便が運航できず、新型コロナウイルス感染拡大が深刻なインドから日本航空(JAL)に搭乗し、(29人が)退避したと説明した。29人は日本経由で10日、帰台した(10日=中央社)

 指揮センターが10日発表した「華空清零計画(中華航空コロナ感染ゼロ計画)2.0」によると、14日間の居家検疫を行うのは、▽パイロット全員、▽長距離フライト乗務の客室乗務員、▽14日間の居家検疫を終えていない、陰性が確認されていない乗組員と接触した客室乗務員──。海外路線で勤務中のパイロットは、台湾に戻り次第、集中検疫所で「居家検疫」を実施する。

 対象者は全員、検疫期間の満了時に検査を行い、陰性が確認されれば、市内に入ることができる。検疫を終えていない、陰性と確認されていない乗組員と、完了済みの乗組員が同じ便に乗務することはできない。

 指揮センターの荘人祥・報道官は、居家検疫の14日間以内に次のフライトに乗務してもいいが、台湾に戻ってから再度、14日間の居家検疫が必要と説明した。対象者全員が14日間の居家検疫を終え、陰性が確認されれば、「中華航空コロナ感染ゼロ計画2.0」は完了となる。

 4月20日以降、中華航空の乗組員などの新型コロナウイルス感染が相次ぐ中、指揮センターは5月6日、「中華航空コロナ感染ゼロ計画」を発表し、中華航空の長距離フライトの乗組員に対し、▽台湾入境後14日間で、新型コロナウイルス検査を5回実施、▽入境後の居家検疫期間を5日間に延長、▽その後9日間、毎日の行動や接触者の記録を求める「自主健康管理」強化版を実施──を義務付けていた。

 その後も感染確認が続き、11日までに▽中華航空パイロット13人、▽客室乗務員1人、▽乗組員の家族12人、▽中華航空の乗組員が居家検疫期間中に利用している防疫ホテル「台北ノボテル桃園国際空港」の従業員など7人、▽その家族3人──の計36人の感染が発表された。家庭内感染は9家族。

貨物便を優先

 中華航空の旅客機は62機、貨物機は21機で、パイロットと客室乗務員は合わせて4,000人余り。「実質14日間の運航停止ではないか」とのメディアの質問に対し指揮センター指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は、運航を順次停止するといえると回答した。陳部長は、中華航空の輸送能力は台湾の24〜25%に相当し、旅客便・貨物便いずれも影響が予想されるが、市中の安全のためやむを得ない判断だと説明した。

 中華航空は、全面的な運航停止ではないと強調。貨物便を優先し、産業の生命線を守ると表明した。旅客便はこれまでに24便(往復48便)の運休を発表した。12日までに残りの運休便を確定する見込みだ。

 貨物取扱業者(フォワーダー)によると、中華航空は今後2週間、東京・大阪線の貨物便全便や、中国の河南省鄭州・南京線など約半数の便の運航を取り消し、上海線や米国の西海岸線の運航を優先するようだ。