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大規模停電400万世帯、人為ミスが原因(トップニュース)/台湾


ニュース 公益 作成日:2021年5月14日_記事番号:T00096092

大規模停電400万世帯、人為ミスが原因(トップニュース)/台湾

 13日午後3時から台湾電力(台電、TPC)が突然、輪番停電を実施し、台北市や新北市、高雄市など400万世帯に影響が及んだ。午後8時過ぎにようやく復旧した。蔡英文政権で2017年8月に続く2度目の大規模停電だ。蔡総統らは同日夜に臨時記者会見を開いて謝罪した。王美花・経済部長は14日、TPCの作業員が変電所の送電網容量拡充のテストで、誤って別の断路器をオンにしたことで、バスバーが故障し、発電所から送電できなくなったと説明した。中央社電などが報じた。

/date/2021/05/14/00tpc1_2.jpg台北市万華区では、停電により信号機も消え、真っ暗となった(13日=中央社)

 13日午後2時37分、高雄市路竹区の路北超高圧変電所でバスバーが故障し、興達火力発電所(高雄市永安区)の発電機4組が停止した。

 TPCは13日、電力供給量が160キロワット(kW)減少するため、輪番停電を決定し、17年8月15日の大規模停電で対象となったA組とB組でなく、C組とD組を対象にしたと説明した。TPC関係者は、バスバー故障は延長コードの故障のようなもので、送電できなくなると語った。

 輪番停電は50分ごと6回にわたり、それぞれ129万~229万戸が停電した。TPCは17年8月15日同様、電力料金の免除で賠償する方向で、総額2億台湾元(約7億8,400万円)以上と予想されている。

 蔡総統は、多くの場所で停電したと謝罪し、13日の運転予備率は10.01%あり、電力系統(電力システム)の問題だったと説明した。

 データによると、13日は暑さにより、ピーク時の使用電力は3,670万キロワット(kW)以上と、予測していた3,500万kW以上を上回っていた。

半導体生産に影響なし

 王・経済部長は、工業区62カ所のうち29カ所で停電が発生したと説明した。加工出口区(輸出加工区)は209社に影響があった。高雄市の加工出口区楠梓園区の影響が大きかった。新竹科学園区(竹科)、中部科学園区(中科)、南部科学園区(南科)は161キロボルト(kV)の超高圧電力を使用しているため、影響が小さかった。

/date/2021/05/14/00tpc3_2.jpg王・経済部長(中)らは頭を下げて謝罪した(中央社)

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、一部の工場で一時、電圧が低下したものの、電力供給は正常で、緊急対応により影響を最小限に抑えたと説明した。聯華電子(UMC)は、南科の一部工場で電圧が低下したが、竹科の工場は正常で、生産に影響はないと説明した。

 ▽NOR型フラッシュメモリー最大手、旺宏電子(マクロニクス・インターナショナル、MXIC)、▽半導体メモリー大手、華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)、▽液晶パネル大手、友達光電(AUO)──なども、停電は発生しなかった。