ニュース その他分野 作成日:2021年5月21日_記事番号:T00096253
経済部統計処が今週実施した調査によると、輸出企業109社のうち71社(65.1%)は、台湾やアジアで新型コロナウイルス感染が拡大しても受注に影響はないと回答した。黄于玲・統計処長は、多くの企業が世界経済の回復で需要は依然旺盛との認識で、17日時点で影響なしの見方が多数だったと指摘した。ロックダウン(都市封鎖)で工場の操業を停止しない限り、深刻な影響はないとの見方を示した。21日付自由時報などが報じた。
同調査は、輸出企業133社に対し実施され、109社から回答が得られた。6社(5.5%)は、影響があると回答した。アジア各国の感染状況、ロックダウンによる物流停滞、海運コンテナ不足に懸念を示した。32社(29%)は、感染状況の変化が目まぐるしく、現時点で判断できないと回答した。
黄・統計処長は、1年前に中国のロックダウンで工場の操業が停止されたが、台湾は現在、防疫レベル第3段階(レベル3)で生産ラインは停止しておらず、輸出受注に影響は及んでいないと分析した。
4月輸出受注、42%増
統計処が20日発表した4月の輸出受注総額は前月比2.4%増、前年同月比42.6%増の549億3,000万米ドルで、同月として過去最高だった。1年2カ月連続で前年同月を上回った。海外生産比率は51.4%と、前年同月比4.5ポイント下落した。
黄・統計処長は、▽新型コロナウイルス禍のテレワーク(リモートワーク、在宅勤務)、企業や個人のデジタルトランスフォーメーション(DX)、▽世界経済回復による個人消費の増加、▽資源価格の上昇──を好調の理由に挙げた。
製品別では、半導体など電子製品は前月比8%増、前年同月比51.5%増の171億1,000万米ドルで、同月として過去最高だった。
ノートパソコン、サーバーなど情報通信技術(ICT)製品は前月比10.2%増、前年同月比23.8%増の154億6,000万米ドルで同月として過去最高だった。
パネルなど光学器材は24億9,000万米ドルで前月比5.6%減、前年同月比34.5%増と、11カ月連続で前年同月を上回った。大型パネルの需要増加や価格上昇が貢献した。
インフラ需要、卑金属86%増
従来型産業では、卑金属(ベースメタル)は32億2,000万米ドルで前月比2.8%増、前年同月比86%増と、1984年の統計開始以来で最大の伸び幅だった。インフラ建設向け鉄鋼需要や、資源価格の上昇が貢献した。
このほか、▽ゴム・プラスチック製品、26億4,000万米ドル(前月比6.5%減、前年同月比73.7%増)、▽機械、23億5,000万米ドル(前月比4.4%減、前年同月比54%増)、▽化学品、19億3,000万米ドル(前月比13.4%減、前年同月比44.8%増)──と、軒並み前年同月比で2桁成長だった。
主要国・地域別では、▽米国、156億6,000万米ドル(前月比横ばい、前年同月比43%増)、▽中国・香港、146億米ドル(前月比2.3%増、前年同月比40.5%増)、▽欧州、113億8,000万米ドル(前月比13.6%増、前年同月比38%増)、▽東南アジア諸国連合(ASEAN)、52億4,000万米ドル(前月比2.2%減、前年同月比57.8%増)、▽日本、28億6,000万米ドル(前月比1.8%増、前年同月比36.4%増)──と、軒並み前年同月比で2桁成長だった。
統計処は、5月の輸出受注総額は545億~560億米ドルで前年同月比40.1~44%増と予測した。調査対象の輸出企業のうち、4月より受注が増加すると回答したのは22.8%、横ばいの回答は57.5%、減少すると回答したのは19.7%だった。
【図】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722