ニュース 医薬 作成日:2021年5月25日_記事番号:T00096310
新型コロナウイルス感染症ワクチン接種者数が30万人を超えたものの、いまだ接種率が約1%にとどまる台湾で、市中感染が急拡大する中、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の従業員と家族用にワクチン50万本を、アップルが提供するとの観測が浮上した。TSMCは24日、「単なるうわさ」とコメントした。一方、電子機器受託生産サービス(EMS)最大手、鴻海精密工業などは台湾政府に対し、中国の上海復星医薬集団が独ビオンテック(BNT)と共同開発したワクチン「復必泰(コミナティ)」を調達するよう打診しているとされる。従業員のワクチン確保が企業の課題になっている。25日付経済日報などが報じた。
24日に半導体業界で浮上した観測の内容は、アップルが、米ファイザー製ワクチンか、米モデルナ製ワクチンを確保し、TSMCの従業員と家族に接種するというものだ。
TSMCは22日、中部科学園区(中科)工場の従業員1人の感染が明らかとなった。
TSMCは、スマートフォンiPhoneなど向けのプロセッサーAシリーズ、ノートパソコンMacBook(マックブック)など向けのMシリーズなどを唯一受託生産している。アップルは、TSMCからの供給断絶を懸念しているとみられている。
業界では、アップルのサプライチェーンは長く複雑で、1社でも欠ければ機能しないため、TSMCのほか、▽半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)、▽スマートフォン向け光学レンズ大手、大立光電(ラーガン・プレシジョン)──なども重要なサプライヤーと目されている。
台湾の出先機関、駐ニューヨーク台北経済文化弁事処の李光章・処長は先週受けたインタビューで、世界の半導体供給不足と台湾の新型コロナウイルス感染拡大が同時に発生しており、米国がワクチン確保に協力してくれれば、半導体産業を守ることができると指摘。まだ業界に影響を及ぼしていないとはいえ状況は切迫しており、国際社会がワクチンを差し出し、感染拡大を制御する手助けをしてくれることを望んでいると語っていた。
中国製ワクチン、10組が要望か
上海復星医薬集団からのワクチン調達を打診しているのは、鴻海などの企業、民間の医療機関、個人など10組以上とされる。
中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は、今週はうわさが多く飛び交っているが、いずれにせよ指揮センターと公式に協議する必要があると述べた。
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