台湾半導体業界の第3四半期の生産額は、前期比14.3%増、前年同期比1.4%増の4,110億台湾元(1兆4,500億円)に達するという見通しが18日、工業技術研究院産業経済趨勢研究センター(IEK)によって示された。インフレ進行で世界的な景気後退局面を迎え、電子業界にも悲観ムードが漂う中、台湾半導体産業は、今年第1四半期を底に引き続き回復に向かうとしている。19日付工商時報が報じた。
IEKでは、第3四半期の生産額が伸びる理由として、▽米国のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題が徐々に落ち着くこと▽クリスマスセール需要▽海外大手IDM(垂直統合型の大手半導体メーカー)による生産委託比率の引き上げ▽北京五輪で厳格にされていた中国当局による貨物検査が緩やかになること▽中国に進出したパッケージング・テスティングメーカーの現地事業が軌道に乗ること──などを挙げた。
IC設計、25%成長
第3四半期の前期比成長率14.3%は通年で最も高くなり、部門別の前期比成長率は、▽IC設計、25.4%(生産額1,210億元)▽IC製造、8.2%(1,930億元)▽ICパッケージング、13.6%(670億元)▽ICテスティング、16.7%(300億元)──となるとしている。このうちIC製造業は、前年同期比の成長率がマイナス2.8%と唯一下落を記録する見通しだ。
第3四半期は世界全体の半導体産業の前期比成長率も7.3%と今年最高となる予測だが、台湾業界の成長率とは大きな開きがある。
年成長率は4.8%
第4四半期の台湾半導体産業の生産額は前期比2.9%増、前年同期比12.4%増の4,230億元という予想で、今年は第1四半期を底として、四半期ごとに生産額が増加する。通年の生産額は1兆5,364億元で、年成長率は4.8%を予想。これは世界の半導体業界全体の予想成長率4.7%とほぼ同じ水準だ。