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作成日:2008年8月20日_記事番号:T00009648
韓国たたきは大誤報、台湾メディアの体質に「?」
孔子も釈迦も韓国人、豆乳も漢方医学も韓国人の発明──。韓国メディアが荒唐無稽(むけい)な報道を行っていると台湾を含む中華圏メディアがしばしば報じていることについて、最も報道を「引用」されている韓国有力紙の朝鮮日報が怒った。
同紙は今月に入り相次いで長文記事で、一連の報道は事実無根であり、韓国や韓国人のイメージを傷つけるものだと中華圏メディアの姿勢を強く批判した。
その一例が6月1日付中国時報が報じた「釈迦は韓国人」説だ。
「韓国・成均館大の研究によると、紀元前700年前後に済州島に住む韓国人が航海に出かけ、一部はベンガル湾に向かった。釈迦が属するシャカ族生活を観察すると東アジアの生活の特徴が表れており、それに基づき推論すると釈迦は韓国人だった」。
記事はおおよそこういう内容だ。これについて、今月8日付の朝鮮日報は、「記事は朝鮮日報を引用した形になっているが、そんな報道を行った事実はない。韓国人がそうは考えていない以上、取材対象にすらならない」と切り捨てた。
台湾メディアが記事の「裏取り」を欠いたことは否めない。引用したはずの新聞に該当記事がなかったのだから、弁解のしようがない。
では記事の出所はどこなのか。これはどうもインターネット上にまことしやかに伝わる「偽ニュース」である可能性が高い。
先月末には中国・広東省の有力紙新快報が社会面トップで朝鮮日報を「引用」し、「成均館大歴史学科の朴芬慶教授が、中華民国の国父孫文は韓国の血筋だとする論文を発表した」と書いた。これも朝鮮日報に該当記事はなかった。
そもそも朴芬慶という名前の教授は在籍していなかったし、「芬慶」は中国語で「憤青」(怒れる愛国青年)と同じ発音。出所はこのあたりではないかと推測されている。そんな出所不明のニュースを確認もせずに転電するのだからメディアの質を問われても仕方あるまい。