中央流行疫情指揮中心（中央流行疫情指揮センター）は６日、半導体パッケージング・テスティング（封止・検査）大手、京元電子（ＫＹＥＣ）の苗栗県の竹南工場の外国籍労働者を中心に、新型コロナウイルス感染症のクラスター（感染者集団）が発生したことを受け、外国籍労働者の出勤を停止し、集中検疫所や在宅での外出制限「居家隔離」措置を取ると発表した。７日時点の感染確認は累計238人。同社の外国籍労働者は2,000人以上で、全従業員の27％を占める。ＫＹＥＣは当初、消毒作業などのための48時間の稼働停止をきょう午後７時にも解除する見通しだった。外国籍労働者の出勤停止で出荷がさらに滞り、半導体供給の逼迫（ひっぱく）に拍車が掛かりそうだ。７日付経済日報などが報じた。

ＫＹＥＣは７日、台湾籍従業員のシフトを調整し、労働力不足を補うと説明した（中央社）

　ＫＹＥＣは６日、全従業員7,106人の検査を完了した。指揮センターの７日発表によると、感染確認は累計238人で、うち台湾籍38人、外国籍200人だった。

　ＫＹＥＣは出勤停止となった外国籍労働者にも通常通り給与を支給しなければならない。

　ＫＹＥＣは、４日午後７時より48時間の稼働停止で、６月の生産量と売上高が４～６％減少すると予測していた。外国籍労働者が14日間の出勤停止となれば、影響は計り知れないと説明した。

　ＫＹＥＣは台湾最大の半導体検査専業メーカーで、世界市場シェアは3.7％だ。電子時報によると、顧客別の売上高構成比は、▽ＩＣ設計最大手、聯発科技（メディアテック）、19％、▽華為技術（ファーウェイ・テクノロジーズ）傘下の海思半導体（ハイシリコン）、5.1％、▽エヌビディア、4.8％──など。

　メディアテックは６日、ＫＹＥＣとは緊密に連絡を取っており、６月の売上高が一部影響を受けると説明した。

苗栗県のクラスター、３社に

　苗栗県に工場がある▽半導体封止・検査、超豊電子（グレイテック・エレクトロニクス）、累計16人（台湾籍２人、外国籍14人）、▽ネットワーク機器メーカー、智邦科技（アクトン・テクノロジー）、10人（台湾籍１人、外国籍９人）──でも、クラスターが発生した。

　指揮センターの荘人祥・報道官は、ＫＹＥＣと超豊電子が利用していた人材派遣会社の宿舎４軒で、約2,000人の外国籍労働者が居住しており、一部の部屋では複数人が寝起きし、浴室設備が共有だったと指摘した。

　指揮センターは、外国籍労働者は宿舎が１人１室でなければ、他の宿舎などに移すか、集中検疫所に移送すると説明した。

　指揮センターは４日、苗栗県に前進指揮所を設置し、経済部が専門家を派遣した。企業は助言に基づき、工場区、休憩スペース、飲食スペースの動線を分散・分離しなければならない。できなければ稼働停止を命じる。

　労働部は、防疫レベル第３段階（レベル３）の期間中、全ての外国籍労働者について、雇用主の変更と、同じ雇用主が別の工場区に派遣することを禁じると発表した。台湾の外国籍労働者は71万3,000人で、うち産業向け労働者は46万8,000人。

　レベル３の期間は７日午前、６月28日までに延期された。

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