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米台5年ぶりTIFA会合、関係強化の基礎に(トップニュース)/台湾


ニュース 政治 作成日:2021年7月1日_記事番号:T00096977

米台5年ぶりTIFA会合、関係強化の基礎に(トップニュース)/台湾

 米台による貿易投資枠組み協定(TIFA)に基づく第11回会合が30日、テレビ会議方式で開かれた。2016年10月以来、5年ぶりの再開だ。▽サプライチェーン(供給網)、▽デジタル貿易、▽医療物資──などの10項目が8時間にわたり協議され、▽知的財産権や投資などに関する複数のワーキンググループの設置、▽安全で強靭なサプライチェーンの強化、▽医療物資の輸出入手続き簡素化──で合意に達した。台湾側は、新型コロナウイルス感染症ワクチンの受託生産を提案し、米国側は引き続き協議することに同意した。行政院経貿談判弁公室の鄧振中・総談判代表は、双方が十分に意見を交換できた満足のいく結果で、経済・貿易関係を深化させる良い基礎となったと評価した。1日付自由時報などが報じた。

/date/2021/07/01/00tifa_2.jpg鄧・総談判代表は、今後1年間、ワーキンググループを設立し、緊密に協議することを決定したことが、今回の会合で最も重要な成果だと指摘した(30日=中央社)

 第11回会合で台湾側は、通商交渉を担当する行政院経貿談判弁公室の楊珍妮・副総談判代表ら経済部の官僚、米国側は米通商代表部(USTR)のマッカーティン代表補(局長級に相当)らが出席した。▽知的財産権、▽サプライチェーン、▽医療物資、▽デジタル貿易、▽貿易の簡便化、▽金融、▽農業、▽環境、▽労働者、▽国際協力──の10項目が協議された。

 米台は、▽農業、▽知的財産権、▽貿易の技術的障害、▽投資──やその他必要なワーキンググループを設置し、協議を続けていくことで合意した。

 楊・副総談判代表は医療物資について、会合後に開かれた記者会見で、世界貿易機関(WTO)の枠組みの下、医療物資の書類審査やプロセスを簡便化し、消費者が必要とする医療物資を迅速に手に入れられるようにすると説明した。また、台湾は、米台が協力し、技術の共有や授権された受託生産により、新型コロナワクチンや医薬品の提供を増やしてほしいと米国に呼び掛けたと説明した。

 薛瑞元・衛福部政務次長(次官)は、台湾側が提唱したモデルナの新型コロナワクチン生産の授権について、「彼ら(米国側)は議論の継続を望んでいる」と説明した。また、半導体を台湾が提供する代わりに、米国からワクチンの提供を受けることはあるかというメディアの質問に対しては、会合の中で言及はなかったと述べた。

貿易協定締結への足掛かりに

 台湾が提案した二国間貿易協定(BTA)については、時間をかけた協議が必要だという双方の共通認識に達した。台湾政府は、自由貿易協定(FTA)やBTAを会合で話し合った場合について、事前にシミュレーションを実施していた。米国は即答を避けたものの、台湾側の予想通り、台湾政府の意志や態度を理解したという。楊・副総談判代表は、米国側はTIFA会合を通じて双方の貿易関係を強化していくとの認識を示したと述べ、今回の会合が関係深化の基礎となると指摘した。

米国産牛肉豚肉の輸入規制緩和で

 TIFAの会合は、1995年に第1回目が開催され、米国産牛肉の輸入を巡り08~12年にも中断していた。12年9月に台湾が成長促進剤(通称・痩肉精)「ラクトパミン」添加飼料で飼育した米国産牛肉の輸入を条件付きで認めることで、13年に再開した。その後、米国産豚肉の輸入問題などで16年を最後に中断していた。

 鄧・総談判代表は、台湾政府は20年8月に、21年1月より米国産牛肉の輸入について月齢30カ月以下の制限を撤廃し、米国産豚肉の輸入は基準値以下ならラクトパミン残留を認めると発表したことで、今回の会合再開につながったと指摘した。

 

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