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作成日:2008年8月22日_記事番号:T00009719
遠東航空前董事長、背任で18年求刑
台北地方検察署は21日、遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)の前の経営陣が背任行為などにより約23億台湾元(約80億円)の損害を会社に与えたなどとして、崔湧・前董事長や陳尚群・前総経理ら9人を背任や証券取引法違反、商業会計法違反などの罪で起訴し、4人に求刑を行った。求刑は、▽崔湧・前董事長、懲役18年▽陳尚群・前総経理、同14年▽胡定吾・元董事長、同6年▽楼文豪・アンコール航空台湾代表、同5年──。
求刑が最も重い崔前董事長は、遠東航の子会社の資金2億1,700万元を横領した上、陳前総経理と共謀して粉飾決算を行った罪。陳前総経理はアンコール航空への8億元に上る貸付金の返済期限の延期を無条件で認め、これが遠東航を破たんに追い込んだ重大な背任行為と指摘された。
求刑を受けて同社労働組合の陳国良理事長は、「社員は被害者であり、金融機関や経営不振の私立学校と同様に、政府が遠東航空を接収することを希望する」という意見を表明した。しかし、李龍文・交通部民用航空局長は「遠東航は民間企業であり、政府は接収する義務はない」と語った。
遠東航は、債権銀行が航空機などの担保を資産を処分して再建が困難になる事態を防ぐため、資産保全の緊急処分を申請し認められていたが、20日で期限切れを迎えた。これを受け、債権行は近く担保の処分に乗り出すとみられている。