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TSMCの劉董事長、「日本で工場を検討中」(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2021年7月16日_記事番号:T00097262

TSMCの劉董事長、「日本で工場を検討中」(トップニュース)/台湾

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音(マーク・リュウ)董事長は15日の業績説明会で、日本での工場設置を検討、計画中と認めた。特殊製造プロセスと説明した。具体的な計画は決定しておらず、顧客のニーズやコストを考慮して判断すると述べた。TSMCが日本工場設置計画に言及したのは初めてだ。16日付経済日報などが報じた。

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 TSMCの日本工場設置に関しては日本メディアがこれまでに消息筋の話として、熊本県にソニーグループなどと合弁で設置すると報じていた。

 また魏哲家・総裁は15日、日本での材料の研究開発(R&D)は提携パートナーの近くで、HPCの需要拡大に対応するためと語った。TSMCが今年2月に発表した3次元(3D)IC材料研究拡大に関連し、経済産業省は6月、TSMCが茨城県つくば市にプロセスラインを構築し、高性能計算(HPC)向け3D実装技術を研究開発する計画を支援すると発表し、イビデンなど20社以上の材料メーカー、製造装置メーカーなどが参画する計画と説明していた。

 このほか米アリゾナ州の5ナノメートル製造プロセスの12インチウエハー工場設置について劉・董事長は、顧客が歓迎しており、第2期拡張の可能性を排除しないと述べた。

 劉・董事長は、アリゾナ州の12インチ工場設置の進度は良好だと説明した。第1期工場は2022年下半期に設備を搬入し、24年第1四半期の量産開始を予定している。当初の月産能力は2万枚。

 一方、中国江蘇省の南京12インチ工場で、28ナノプロセスの生産能力を増強する計画に対し、米国が設備搬入を阻んでいるとの観測に対し、劉・董事長は、当初計画通り進んでおり、障害は見受けられないと述べた。

半導体生産額、17%増予測

 魏・総裁は、メモリーを含まない今年の世界の半導体産業生産額予測は前年比17%増へと、前期時点の見通しから5ポイント上方修正した。ファウンドリーの生産額見通しは20%増へと、4ポイント引き上げた。電気自動車(EV)やスマートフォン向けで、TSMCの先進製造プロセスや特殊製造プロセスの需要が強く、来年まで生産能力の逼迫(ひっぱく)が続くと予測した。

 TSMCは、今年の米ドル建て売上高は前年比20%以上成長し、20~25年の年間複合成長率(CAGR)は10~15%と予測した。

Q2純利益、同期の過去最高に

 TSMCが同日発表した第2四半期の連結売上高は前期比2.7%増、前年同期比19.8%増の3,721億5,000万台湾元(約1兆4,600億円)だった。粗利益率は50%と、前期比2.4ポイント下落、前年同期比3ポイント下落し、過去7四半期で最も低かった。純利益は前期比3.8%減、前年同期比11.2%増の1,343億6,000万元で、同期として過去最高だった。

【図】

 

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