ニュース 医薬 作成日:2021年7月19日_記事番号:T00097295
高端疫苗生物製剤(メディゲン・ワクチン・バイオロジクス)が開発している台湾独自の新型コロナウイルス感染症ワクチンの盲検法による臨床試験に関連し、被験者として参加した陳建仁・前副総統夫妻が、特権でワクチン接種を受けたのではないかとする疑惑が一時浮上。その後、誤解とみられることが判明した。17日付経済日報が伝えた。
盲検法による臨床試験では、 被験者を無作為に被験薬を投与するグループと偽薬を投与するグループに分け、データの収集や解析で起こりやすい情報バイアスを避けるため、被験者にはどちらのグループに属しているかが伏せられる。
陳・前副総統は5月28日、全民電視(民視)のインタビューで、夫妻でメディゲンの第2相臨床試験に参加したことを明かした。陳前総統は「全ての被験者は自分がワクチンを投与されたか、偽薬を投与されたか知らされない」と説明しつつも、「いかなる体調不良もなかった」と述べ、ワクチンの副反応はなかったとも取れる発言を行った。
このため、王鴻薇・台北市議(国民党)は15日、「陳・前副総統だけ自分が打ったのがワクチンだと知っていたのではないか」と疑問を呈した。これに対し、陳・前副総統は同日、「自分は偽薬グループだった」と明かした。すると、王・市議は、なぜ陳前副総統が盲検解除を受け、偽薬グループだったと知ることができたのかとさらに追及した。
一連の騒動を受け、衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)は16日、メディゲンから継続試験の申請があり、7月から同社が被験者に継続試験への参加を打診。その際に盲検が解除されたと説明した。陳・前総統はその過程で自身が偽薬グループだったことを知ったとみられる。
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