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作成日:2008年8月25日_記事番号:T00009743
「選挙経費把握は呉淑珍夫人だけ」、邱・前行政院副院長ら
陳水扁前総統の家族をめぐるマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑を捜査する最高検察署特別捜査班は23日、陳前総統の総統選選対本部で総幹事を務めた邱義仁・前行政院副院長、財務長を務めた新光医院の黄色芳彦副院長、台北市長選で財務長を務め、応援グッズの製造を手掛けた「扁帽工廠」董事の黄維生氏らを参考人として事情聴取を行った。3人はいずれも、「呉淑珍前総統夫人が長年にわたって、陳前総統の選挙経費を管理しており、募金で集まった金額がいくらになったかを知るのは彼女だけで、前総統は知らなかった」と証言した。24日付中国時報が報じた。
3人の証言によると、選挙経費は通常現金でやり取りされ、領収書は発行されなかったという。また呉淑珍夫人は帳簿も使わず、「すべて頭の中に記入」していたとされる。さらに夫人は経費だけでなく人事にも干渉し「党の会議で決まったことが彼女の一言で覆ったこともある」との証言も行われたようだ。
邱氏によると総統選の際、総幹事の下に設けられた財務委員会では、委員1人につきノルマ額を設定して募金を行い、集まった募金は最終的に呉淑珍夫人に預けたという。
特捜班は今後、陳前総統が主導して台湾主体意識を持った若いリーダーを育てることを目的に2003年に設立された「凱達格蘭(ケタガラン)学校」や、米国の台湾に対する理解を深め、両国の交流を図るために設立された「米フォルモサ基金会」などの資金の流れも対象に捜査を進めるとしている。