ニュース 石油・化学 作成日:2021年7月30日_記事番号:T00097513
台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス、台塑)の林健男・董事長は29日の株主総会で、使い捨ての食品用ラップフィルムやビニール袋、食器などの日用品向け合成樹脂(プラスチック)材料の生産を2025年までに終了すると発表した。医療用注射器、窓枠など耐久財向けや、生分解性プラスチック複合材料の生産に切り替える。世界でSDGs(持続可能な開発目標)が推進される中、台湾政府は30年までに使い捨ての食器などの使用を全面禁止する政策を掲げており、台塑が先行対応する。30日付工商時報などが報じた。
ポリ塩化ビニル(PVC)は23年に使い捨ての食品用ラップフィルムや包装材など向けの生産を終了する。既に窓枠や壁板など耐久財向け生産に切り替えている。使い捨て製品向けの20年販売量は1万5,000トンで、全体に占める割合は1.2%まで縮小した。
ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)は25年に使い捨て製品向けの生産を終了する。PPは、放射線治療用の注射器や薬品用の容器、コーヒーメーカーなどの耐熱性家電向けの販路を拡大する。また、生分解性プラスチック複合材料の研究開発(R&D)を進めており、実験室が第1段階の認証を取得した。
PPの使い捨て製品向けの20年販売量は6万2,000トンで、全体の12.8%を占めた。PEは、ビニール袋やゴミ袋、レジ袋に使用される高密度ポリエチレン(HDPE)が17万7,000トンで全体の20.9%、食品用ラップフィルムやパン包装に使用される直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が4万2,000トンで全体の4.9%だった。
医療材料センター、22年完工へ
台塑は、来年6月に高雄市の仁武工場に医療材料生産センターが完成する予定だ。投資額は3億9,000万台湾元(約15億3,000万円)。約10%出資する普瑞博生技(プリブラッド・メディカル)とともに、▽PVC、▽PP、▽エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)──に双性イオン型ポリマー技術を用いた世界初の抗付着性の複合材料を開発する。▽透析用カテーテル、▽白血球除去フィルター、▽尿道カテーテル、▽注射器──などへの応用を見込む。
【表】
【セミナー情報です】
日本人向けワイズ経営塾台湾新任編で、経営の基礎と、台湾のビジネス環境を学びませんか?9月24日開講。
検索は「ワイズ、9月新任編」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/92168.html
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722