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空港MRT着工2年、工事進度わずか5%


ニュース 運輸 作成日:2008年8月25日_記事番号:T00009753

空港MRT着工2年、工事進度わずか5%


 桃園国際空港と台北市内を結ぶ都市交通システム(MRT)が着工されて2年半になるが、工事進ちょく率はわずか5%にとどまっている。交通部高速鉄路工程局はこのほど、交通部に工期を2年2カ月延長することが避けられず、総工費が270億台湾元(約947億3,000万円)も増加する見通しになったと報告した。工事が遅々として進まない中で建設費だけが雪だるま式に膨らんでいる格好だ。

 24日付中国時報によると、工事進ちょく率にも数字のからくりがあった。高速鉄路工程局がまとめた表向きの進ちょく率は6月末時点で当初計画を6.78ポイント下回る45.61%。これだけ見れば、大きな遅れとは言えない。

 ところが、高速鉄路工程局が工期延長と大幅な建設費増額を要求してきたことで、事態の深刻さが明るみに出た。交通部が工事の進行状況を精査したところ、表向きの進ちょく率は計画、設計、施工、用地取得など6項目を加重平均した値で、数値が高く出るのは当たり前の計算式だった。改めて実質的な進ちょく率を算出したところ5.04%という驚くべき数字が出た。工事はほとんど停滞状態といってもよい状況だ。

 交通部の張邱春常務次長(次官)は「公共工程委員会、経済建設委員会、監察院が関係公務員の過失や責任を追及する」と述べ、事業全体に対するチェック体制を強化する方針を示した。

 高速鉄路工程局の龐家驊局長は「工事の遅れは主に鋼材など建築資材の上昇、林口~桃園空港間の施工方式が未定なこと、予算の成立遅延、追加設置が決まった新駅の用地取得難航などが原因だ」として、同局だけの責任ではないと主張している。しかし、責任論は急速に浮上しており、9月までに龐局長が更迭され、台北市政府捷運工程局の朱旭副局長が後任に充てられるとの観測も浮上している。