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作成日:2008年8月25日_記事番号:T00009757
メリルリンチ、陳前総統の資金洗浄を支援か
香港の金融雑誌ファイナンス・アジア最新号は、米投資銀行のメリルリンチが陳水扁前総統のマネーロンダリング(資金洗浄)で重要な役割を果たしていたと報じた。
23日付聯合報によると、メリルリンチは規定に違反して、陳前総統の長男陳致中氏の妻の黄睿靚氏が昨年2月にスイスの同行現地法人に海外送金用の口座を開設するのを助けたほか、陳氏のために英領ケイマン諸島にメリルリンチを登記上の株主とするペーパー会社「ボーション」社を設立するなどしていた。メリルリンチが株主として名義貸ししたのは、実質的出資者が陳致中氏夫妻であることが露見しないようにするのが狙いだったとみられる。
スイスの口座には口座開設直後にクレディスイスのシンガポール法人から約2,100万米ドルが振り込まれ、3カ月後にボーション社が設立されると、資金は全て同社の口座にプールされた。
同誌は「メリルリンチの内部統制やリスク管理に大きな問題が生じた」と指摘した上で、同行が陳前総統一家を支援したのは、陳水扁政権から何らかの利益を得ることが目的だったのではないかと推測している。
同誌はまた、プライベートバンクが政治的にデリケートな人物の口座を開設するのは業界でタブーとなっており、同行はそれを犯したとも指摘した。
メリルリンチのメディア広報担当は22日、「陳前総統一家の口座開設手続きは合法的で、司法機関の調査にも協力している」とコメントした。